投稿日:2024年12月27日
地域が誇る銘菓やブランド牛、旬の農産物や水産物、店舗や旅行で便利に使用できる優待券など、ふるさと納税には、バラエティに富んだ返礼品が揃っています。
ふるさと納税の楽しみは、返礼品を選び、受け取ることだけではありません。
縁(ゆかり)のある地方自治体や、お世話になった思い入れのある自治体などへの寄附金の使いみちを選ぶことで、自身の寄附金が町や村に与える影響を知ることも一つの醍醐味となるでしょう。
ふるさと納税バイブルでは、返礼品が目的の寄附だけではない選択肢を知ってもらうために、全国の自治体に寄附金の使いみちを伺い、その想いを発信していきます。
今回ご紹介するのは、鹿児島県南九州市の取り組みです。同市では、市外在住者を対象としたサポーター登録制度を運営し、リピーターの獲得、交流・関係人口の拡大を目指しています。また、平和推進事業にも積極的に取り組んでいます。
南九州市のファンを増やす取り組み「みなサポ」
薩摩半島の南に位置し、 豊かな自然に恵まれた南九州市。特産品としてブランド和牛の「かわなべ牛」や「知覧茶」、さつまいもの「知覧紅」などがあります。
南九州市では、市の魅力を広く発信するPR事業に力を入れており、その一環として2023年8月に南九州市サポータークラブ「みなサポ」を創設。このサポータークラブの運営には、ふるさと納税の寄附金を活用しています。
「『みなサポ』は南九州市外在住であれば、どなたでも入会でき、登録料や入会費は無料です。“南九州市のリピーターになってもらいたい”、“市の魅力をたくさん発信してもらいたい”という思いを込めて運営しています。会員の皆さまには、南九州市で開催されるイベントやおすすめの情報をメールでお届けしています。さらに、市内の協力店で特典サービスを利用でき、入会時には南九州市のブランド和牛『かわなべ牛』のお肉をプレゼントしています」(南九州市自治体担当者・以下同)
「みなサポ」の会員数は設立1年足らずで277名に達し、順調に増加しています。
2024年9月にはファン感謝祭を開催し、大雨にもかかわらず、2日間で2,000人もの来場者が訪れました。
「市内の飲食店が13店舗出店し、黒豚餃子、黒牛焼肉、鶏炭火焼、知覧茶などを販売しました。また、餅つきや南九州市の特産品が当たるビンゴも実施し、サポーターの皆様に食事や買い物を楽しんでいただきました」
ファン感謝祭の様子
現在では、市内の観光地を巡る日帰りツアーの参加者から「また南九州市に来たい」との声をいただくことが多く、「みなサポ」への入会につながっています。
「もっと多くの方に南九州市を知っていただきたいですね。南九州市は、空気が澄んで水がおいしく、自然豊かなまちです。おいしい食べ物もたくさんありますし、一度のツアーでは回り切れないほどの魅力的な観光地があります。ぜひ何度も足を運んでいただき、“また来たい”と思ってもらえるまちにしていきたいです」
南九州市を応援したい!という方はぜひ「みなサポ」への入会を検討してみてはいかがでしょうか。
戦争の記録を後世へ伝える
南九州市は、平和推進事業にも力を入れています。その中でも、知覧には太平洋戦争末期に特攻隊の基地が設置され、439名の特攻隊員が命を落としました。
戦後、恒久平和を祈念して、基地跡地に「知覧特攻平和会館」が建設されました。ここでは、特攻隊員が残した遺書や手紙などの遺品、実際に戦争で使用された戦闘機などを展示しています。この会館は、戦争の記録を後世に伝え、平和の大切さを学ぶ場となっています。
「ふるさと納税の寄附金は、主に貴重な資料の保存に充当させていただいています。特攻隊員が遺した遺書や手紙は物資の不足した時代の用紙やインクであるため経年劣化により変色し、文字が薄れてきているものもあります。そのため、遺書をデジタル化し、レプリカを作成して原本を後世に残す取り組みを行っています」
収蔵資料の保存状態調査事業
南九州市のこの活動は、戦争の悲惨さを伝え、未来に向けた平和のメッセージを広める大切な役割を果たしています。
スピーチコンテストで平和へのメッセージを発信
「平和へのメッセージ from 知覧 スピーチコンテスト」も、南九州市のふるさと納税の寄附金が役立てられている平和事業のひとつです。
このスピーチコンテストは、修学旅行で知覧特攻平和会館を訪れた女子高校生が送った手紙をきっかけに、1990年に始まりました。
毎年8月15日の終戦記念日に、「あした いのち かがやけ」をテーマに開催されるこのコンテストには、小学生から大人まで、毎年全国から多数の応募があります。スピーチを通じて、参加者は“いのちの尊さ”や“平和の大切さ”を全国に発信しています。
南九州市は、ふるさとの発展と世界の恒久平和を願い、2008年に「平和を語り継ぐ都市」としての宣言を表明しました。
サポーター制度の運営を通じて地域振興に力を注ぐとともに、こうした平和推進事業を積極的に展開しています。
鹿児島県南九州市の取り組みを応援し、平和のメッセージを未来へつなげたいという方は、ぜひ寄附をお願いいたします。
自治体情報
鹿児島県薩摩半島の南部に位置する、人口約31,000人のまち。鹿児島市からは約30kmの距離で、南は東シナ海を臨みます。
茶の生産がさかんで、温暖な気候と広大な大地で育成された 「知覧茶」は“農林水産大臣賞“や“全国茶品評会日本茶業中央会長賞”など数々の賞を受賞しています。
「かわなべ牛」は、とろける柔らかさと濃厚なうまみの肉質が特徴の、南九州市川辺町で15か月以上飼育された“A4ランク以上”のブランド和牛。
2022年の和牛オリンピック(全国和牛能力共進会) では鹿児島県の日本一に寄与し、2024年度「半島アワード賞」を受賞するなど、高品質な肉質が評価されています。
南九州市のふるさと納税
鹿児島県南九州市の基礎情報や返礼品をまとめてご覧いただくことができます。