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総額8億円!全国の自治体からTwitterで寄付先を募集

ふるさと納税と言えば、返礼品。寄付のお礼として自治体から送られてくる返礼品の魅力が、その自治体に寄付をするかしないかを決める大きな要因になっている。しかし、ふるさと納税の趣旨は元々そうではなかった。その根本を確認するかのように、突如、総額8憶円の寄付をするという人物が現れた。返礼品はいらないと言う。
寄付の条件は至ってシンプル。寄付金の使い道をツイッターを通して提案すること。提案が採用されれば実際に自治体に寄付がされる。この企画には全国から156もの自治体首長が手を挙げた。結果、手を挙げた全ての自治体に対して均等に500万円ずつ寄付が行われた。
首長達はどんな思いで提案をしたのか?
提案の背景には何があったのか?
はたして、返礼品を伴わない寄付は根付くのか?
愛知県西尾市の中村健市長に話を聞いた。

Q 応募の経緯を教えて下さい

常日頃、様々な情報を得るように心掛けています。自分自身、ツイッターはしていませんでしたが、今回の企画はネットのニュースを見て知りました。

Q 応募しようと思った理由は何ですか?

寄付金額の総額は示されていましたが、何自治体に寄付するのか、いくら配分されるのかが決められていませんでした。通常、自治体ではこのように不確定要素が多いことは事業として進めにくいのですが、そういった自治体の昔ながらのイメージを払拭したかったことが一つ目の理由です。

もう一つは、この様な企画の場合、「この使い道なら寄付しても良いかな」と、現実的なことよりも夢のある企画が選ばれると思いました。この、「夢のある企画」は自治体職員にとっても大事な視点です。自治体職員は日々目の前の仕事に夢中になってしまいがちですが、夢を描きながら仕事を進めることも大事ということを知って欲しかったという思いがあります。

Q 今回の寄付で実現したいことは何ですか?

 私自身でで考えることもできましたが、この企画に共感する輪を広げたかったので、市民の皆さんにも広く使い道を募集しました。集まった20件を超える使い道の候補の中から

①主に高齢者に向けた健康遊具を公園に設置

吉良ワイキキビーチのさらなるハワイ化

③西尾市産ワイン作りの設備投資

の、3件をツイッターで提案しました。寄付の額が1自治体あたり500万円になったため、全ての事業の実施が難しく、西尾市としては①主に高齢者に向けた健康遊具を公園に設置を実施することに決めました。 

Q この企画の参加について、まちの反響はありましたか?

 寄付をもらえたことに関しては好意的な意見を多く頂きました。使い道を決めた理由は、「公園=こども達の遊び場」というイメージが強いですが、実際には高齢者の方も多く利用しているため、健康遊具を設置したいとの市民の方の思いに共感しました。今回の企画は行政だけでなく、市民の皆さんを巻き込んで実施したいと考えていましたので採用しました。

次年度、2箇所の公園に健康遊具を設置する予定でいます。

寄付先として採用された時点で定例記者会見で使い道を発表し、既に市民の方にも伝えていますが、設置場所が決まった段階で、改めて発表しようと考えています。健康遊具自体にも今回の寄付の経緯を説明した文章など、今回の企画が分かるような案内をしたいと考えています。

西尾市が抱える課題の一つとして、例えば名鉄西尾蒲郡線の利用者が少なく、赤字が大きく存続が厳しい現状があります。市としても予算は組んでいますが、寄付金を使って更に予算を付ける提案もありましたが、今回の企画に参加した理由にも挙げたように、直近の課題というよりは、夢のある事業、今まで実施してこなかったが、実現できたら市民の皆さんが喜ぶことを選ばせていただきました。 

Q 西尾市にとってふるさと納税とは?

西尾市にとってのふるさと納税は、「地域経済の活性化」「シティプロモーション」「競争意識の芽生え」だと考えています。

地域経済の活性化については、ふるさと納税の返礼品を市内事業者から調達することで経済活動が起き、事業者にとっては新たな販路の拡大にも繋がります。また、シティプロモーションの要素として、例えば、「西尾市と言えば抹茶」という昔からのイメージに留まってしまうことや、そもそも西尾市ってどこか分からない人たちに向けて、西尾市を知ってもらう大きなきっかけになります。そして、競争意識の芽生えですが、自治体職員はこれまでの様な順風満帆な状況の中での行政運営ではなく、先行き不透明、人口減少社会による税収減の中で、他自治体との競争に勝っていく意識を仕事の中で培って欲しいと考えています。ふるさと納税はまさにその良い例で、既に競争の土俵ができています。職員の在り方を変えていく必要がありますが、日常の業務では感じることができないことが、ふるさと納税では感じることができると考えています。

また、返礼品を伴わない一般的な寄付も年間を通していただくことはありますが、その場合、福祉に使って欲しい、教育に使って欲しいと、寄付者の意向に沿った使い方をしています。一方で、ふるさと納税の使い道は自治体で決めることができます。自治体の持つ課題解決に向けた使い道を設定することができるところに、ふるさと納税の大きな意味があると感じています。

Q 今後の取り組みについて教えて下さい

 西尾市には魅力的な資源がたくさんあると思っています。一色産のうなぎはふるさと納税の返礼品でも人気が高いですが、味も良く、価格も安い。愛知県の中心都市の名古屋市からは距離がありますが、実際に足を運んで食べに来て欲しい。抹茶やあさりも同様です。

そんな西尾市の特産品が市以外の人にどのように写るか聞いてみたい。単純に返礼品のお得感で西尾市を選んだ人もいれば、西尾市を応援したいという方もいると思います。最初はお得感で選んだ西尾市だったかもしれないが、ふるさと納税ををきっかけに、西尾市のファンになってくれればそれはうれしいこと。ふるさと納税には、そんなきっかけを期待したいです。 

 

愛知県西尾市ふるさと納税

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