投稿日:2025年1月29日
地域が誇る銘菓やブランド牛、旬の農産物や水産物、店舗や旅行で便利に使用できる電子ポイントなど、ふるさと納税には、バラエティに富んだ返礼品が揃っています。
ふるさと納税の楽しみは、返礼品を選び、受け取ることだけではありません。
縁(ゆかり)のある地方自治体や、お世話になった思い入れのある自治体などへの寄附金の使いみちを選ぶことで、自身の寄附金が町や村に与える影響を知ることも一つの醍醐味となるでしょう。
ふるさと納税バイブルでは、返礼品が目的の寄附だけではない選択肢を知ってもらうために、全国の自治体に寄附金の使いみちを伺い、その想いを発信していきます。
今回取り上げるのは、文化財保護、観光促進、移住定住促進、地域医療の充実などに取り組んでいる長崎県佐世保市の取り組みです。
日本遺産「鎮守府・佐世保」をPRする公園づくり
佐世保市では現在、立神広場において「させぼ立神近代化歴史公園」の整備を進めています。
立神広場は、1889年に開庁した日本海軍佐世保鎮守府の関連施設であり、明治期から昭和期にかけての建物遺構が残る埋蔵文化財包蔵地です。
2016年には文化庁より、「鎮守府 横須賀・呉・佐世保・舞鶴~日本近代化の躍動を体感できるまち~」として旧軍港4市(横須賀・呉・佐世保・舞鶴)の近代化にまつわるストーリーが日本遺産に認定されました。
鎮守府を構成する文化財(近代化遺産)は佐世保市内各所に500点以上点在していますが、それらを解説するガイダンス機能が十分に備わっていないのが現状です。
こうした課題を受け、2023年に、文化財の価値を活かした歴史公園と日本遺産「鎮守府・佐世保」の拠点となる施設「させぼ立神近代化歴史公園」の整備を開始しました。
「この施設では、市内の文化財や観光地を巡る周遊ルートの提案や、佐世保の歴史、『日本遺産・鎮守府』の魅力を学ぶことができます。イベントの開催や飲食店、物販販売なども取り入れる予定です。訪れた方に楽しんでいただける場にしていきたいですね」
(佐世保市自治体担当者・以下同)
市民がバンドや音楽サークルの練習場として活用していた「煉瓦倉庫」
させぼ立神近代歴史公園の公募時のイメージ図
現在、2026年11月の施設供用開始に向け、整備を進めています。
若者の夢を後押し、移住定住を促進
佐世保市では、人口減少問題対策として「住み続けたい」「住んでみたい」「訪れてみたい」と感じてもらえるまちづくりを推進しています。
その一環として、ふるさと納税の寄附金は、若者の移住や定住を支援する事業にも活用されています。
2024年4月には、新たに「若者活躍・未来づくり課」を創設。
「日本一、若者の夢を後押しするまちSASEBO」を掲げ、官民一体で若者のコミュニティづくりや、夢の実現を応援しています。
2024年10月には、実現したい夢を持つ若者と、それに共感した市内外の仲間や応援したい大人をつなげるオンラインコミュニティ「 SASEBO ⇆ X(サセボクロス)」の運用を開始しました。
また、12月には「若者活躍フォーラム」を開催。高校生や、大学生約500人の若者が来場し、佐世保市長と高校生のパネルディスカッションなど熱心に耳を傾けました。
これからも佐世保市は、若者の挑戦を支えるまちとして、地域の未来づくりに取り組んでいきます。
移住支援の成果が生んだ幸せなエピソード
移住支援の取り組みを通じて、地域おこし協力隊として「黒島」に赴任した女性が、島の漁協職員と出会い、結婚した心温まるケースも。
新郎新婦は、島のシンボルであり世界遺産に認定された協会「黒島天主堂」で結婚式を執り行い、島中の人々から祝福を受けました。
現在、その女性は観光ガイドとして活動し、島の魅力を発信することで地域に貢献しています。彼女の存在は、若者の移住や地域定住のロールモデルとなっています。
「佐世保市は歴史上、他の地域から人々が集まってきたまちです。そのため多様な文化、移住者を受け入れる土壌が備わっています。地域の人々が積極的に移住者に声をかけるなど、良い風土があります」
地域医療体制を整備し、誰もが安心して暮らせるまちへ
佐世保市は、市民が安心して心豊かに元気で暮らせる地域を目指し、地域医療体制の確保・充実を目標に掲げています。
特に、高齢化等に伴う医師不足を課題と捉え、産婦人科や小児科の維持・確保に向けた補助金事業を2023年にスタートしました。
この補助金事業では、診療所の新規開設や事業承継に伴う建物の取得や改修費用、医療機器等の購入費用などの一部に、ふるさと納税の寄附金が活用されています。
市内の「さいくさ小児科」では、この補助金を活用し、施設全体の改修を実施。予防接種室、授乳室の新設や隔離室の増設を行い、患者同士の接触による感染リスクを低減させました。
また、快適な空間の中でスムーズに診療を行える環境づくりにも取り組んでいます。
佐世保市は、今後も市民が安心して暮らせる地域医療体制の確保・充実に努めていきます。
佐世保市のふるさと納税は、文化財保護、観光促進、移住定住促進、地域医療の充実などに活用されています。佐世保市の取り組みを応援したいという方は、ぜひ寄附をお願いいたします。
自治体情報
長崎県の北部地方に位置する都市。長崎市に次いで人口の多い中核市ながら、海・島・山の豊かな自然と触れ合える魅力のあるまちです。
西海国立公園、“日本本土最西端の地”神崎鼻公園、佐世保基地、日本最大級のテーマパークであるハウステンボスなど、観光地としても名高く、全国から多くの人が訪れます。
西日本最大級の規模を誇る「佐世保魚市場」では、佐世保近海をはじめ、五島列島や平戸沖で水揚げされたさまざまな魚介が並びます。「九十九島かき」や「九十九島とらふぐ」は、九十九島の島々から流れ込む豊かな栄養で育った佐世保市の特産品です。
山あいでは、柑橘類などの農作物の生産が盛んに行われています。
ふるさと納税の返礼品で最も人気のカテゴリーは、肉の加工品。
特に「長崎豊味館」の黒豚ロールステーキや牛テールカレーGorottoは、たびたびメディアでも取り上げられ、リピーターも多い逸品です。
お箸でほぐせるやわらかさが自慢の「黒豚ロールステーキ」
牛テールを丸ごと使用した贅沢なカレー「Gorotto」
佐世保市のふるさと納税
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