
投稿日:2025年6月13日
地域が誇る銘菓やブランド牛、旬の農産物や水産物、店舗や旅行で便利に使用できる電子ポイントなど、ふるさと納税には、バラエティに富んだ返礼品が揃っています。
ふるさと納税の楽しみは、返礼品を選び、受け取ることだけではありません。
縁(ゆかり)のある自治体や、お世話になった思い入れのある自治体などへの寄附金の使いみちを選ぶことで、自身の寄附金が町や村に与える影響を知ることも一つの醍醐味となるでしょう。
ふるさと納税バイブルでは、返礼品が目的の寄附だけではない選択肢を知ってもらうために、全国の自治体に寄附金の使いみちを伺い、その想いを発信していきます。
今回取り上げるのは、ふるさと納税の寄附金を市民のためにしっかり活用し、子育て世代や高齢者の支援に取り組んでいる茨城県行方市(なめがたし)の取り組みです。
豊かな食の恵みと地域のつながりが魅力のまち
行方市は、茨城県の南東部に位置するまちです。霞ヶ浦と北浦という二つの大きな湖に囲まれた自然豊かな環境にありながら、東京都心からは約70km、成田国際空港からは車で約40分というアクセスの良さも兼ね備えています。
市の基幹産業は農業で、年間100品目以上にのぼる農畜水産物が地域経済を支えています。特に、サツマイモやエシャレット、水菜、フルーツトマトなどの野菜、イチゴなどのフルーツは主要作物として知られています。中でもサツマイモは、「日本農業賞大賞」や「農林水産祭天皇杯」を受賞するなど、全国的にも高い評価を得ています。
また、畜産業も盛んで、「美明豚(びめいとん)」「常陸ポーク」といったブランド畜産物の産地としても知られています。さらに、市内の湖では鯉やワカサギなどの魚介類にも恵まれた地域です。
行方市は、茨城県の「鹿行(ろっこう)5市」のひとつであり、プロサッカークラブ・鹿島アントラーズのホームタウンでもあります。クラブの試合や地域イベントが行われる際には、まち全体が盛り上がり、市民とクラブが一体となって応援しています。
市内には、地域密着型のエリア放送局「なめがたエリアテレビ」もあり、地域の魅力やイベント情報の発信はもちろん、防災情報の提供など、市民の暮らしに役立つ情報を日々発信しています。
このように、自然と都市の利便性が共存し、地域と市民とのつながりを大切にする行方市では、子育て支援をはじめとした、暮らしに寄り添う多彩な取り組みが行われています。
ふるさと納税で支えられている行方市の子育て支援
行方市では、子どもたちが健やかに成長できる環境を整えるための取り組みを行っており、これの事業にはふるさと納税の寄附金が活用されています。
「行方市の子育て支援は、県内でもトップクラスと自負しています。2024年に実施した3つの事業は、全てふるさと納税の寄附金で運営しており、寄附金が直接子どもたちの未来を支えています」(行方市自治体関係者・以下同)
使い道の1つである「未来を担う子どもを育む事業」では、以下の3つの事業を展開しています。
1. 子どもの門出を笑顔にする支援金
行方市では小・中学校、高校、特別支援学校に入学する児童生徒を対象に、1人あたり2万円を支給しています。進学に伴う準備費用の保護者負担を軽減し、子どもたちの新たな門出を地域全体で応援する仕組みです。この施策は「子育て応援ニコニコ(弐湖弐湖)支援金」と名付けられ、子育て世代から「支援金のおかげで楽しい思い出をつくることができた」といった喜びの声が多く寄せられています。
2.誕生祝金を支給し、安心して出産できる環境づくりを推進
行方市では、赤ちゃんが誕生した家庭にお祝い金10万円を支給しています。出産・育児にかかる経済的な負担を少しでも軽減し、安心して子育てができる環境づくりを進めることを目的とした制度です。
「出産・育児には想像以上にお金がかかるので、この制度があってとても助かった」といった感謝の声が数多く寄せられており、子育て世代にとって心強い支援となっています。また、この取り組みは、少子化・人口減少対策としても注目を集めています。
3.子どもたちの給食費を補助し、食育を支援
行方市では、保育所に通う子どもたちを対象に、毎月の給食費を補助しています。
さらに、「学校給食センター運営事業」の一環として、学校給食の食材費の一部にふるさと納税の寄附金を活用しています。
給食では、地元産の新鮮な野菜をふんだんに使ったメニューを提供し、栄養バランスのとれた食事を通じて、子どもたちの健やかな成長と食育を支えています。
この取り組みは、特に共働き家庭や子育て世帯から高く評価されており、「安心して働ける」「家計面でも助かる」といった声が寄せられています。行方市では、このように経済的な支援と地域資源を活かした仕組みを通じて、子育て世代に安心感を提供し、地域ぐるみでの子育てを実現しています。
高齢者や障がい者のごみ出しをサポート
行方市は子育て世代のみならず、高齢者や障がい者の支援にもふるさと納税の寄附金を活用しています。その一環として、2022年に「高齢者等ごみ出し支援事業」をスタートしました。
「月に数回、ごみを集積所まで運ぶのが困難な世帯に、係員がごみを玄関先まで収集に伺います。ごみ出しに往復で数十分かかっていた一人暮らしのお年寄りからは“本当に助かった”という声が届いています」
この取り組みは、利用者の日常生活の負担軽減はもちろん、孤立の防止にもつながっています。さらにこの事業は行方市からシルバー人材センターに委託されており、シニア世代の雇用創出にも貢献しています。
このように行方市では、ふるさと納税の寄附金が「行方市に暮らす市民のために」しっかりと使われています。
子どもたちの成長を応援する制度や、高齢者の暮らしを支える支援など、誰もが安心して暮らせるまちづくりを推進しています。つまり、ふるさと納税は「行方市に暮らす人々の“やさしい日常”を守る仕組み」として機能しているのです。
寄附してくださる方の想いが、地域のあたたかさとなって日々の暮らしを支えている―― そんな“やさしさ”が行方市には根づいています。
あたたかく豊かなこのまちを、ぜひふるさと納税で応援をお願いします。
自治体情報
行方市は2005年に麻生町、北浦町、玉造町の3町が合併して誕生しました。人口は2025年5月現在で約31,220人です。
霞ヶ浦と北浦二つの広い湖に挟まれた行方市では、湖の水辺で水上バイクやカヌー、ヨットなどのスポーツを楽しめるのに加え、ゴルフ場も複数あるので、市内さまざまなアクティビティを満喫できます。
ふるさと納税の寄附金で特に人気の品はサツマイモです。行方市のサツマイモは、温暖な気候と水はけのよい土地から生み出される特産品です。
紅はるか、紅まさりなどの品種は加熱すると甘さが増し、焼き芋にすると“ほくほく”と“ねっとり”のどちらの食感も楽しめます。
黄金色に輝く干しいもは、やわらかくしっとりした食感で、サツマイモの甘味が最大限に生きた濃厚な味わいです。また、スイートポテト、大学芋などのサツマイモスイーツも人気です。
行方市の農業振興や品質向上の取り組みは高く評価され、農林水産祭天皇杯を受賞しました。この受賞を機に、行方市のサツマイモは国内外に広く認知されました。行方市では食品企業と提携し、体験型農業テーマパークを開設するなど、サツマイモの魅力を広める活動にも力を入れています。
ふるさと納税で行方市を応援し、魅力的な特産品を楽しんでみてはいかがでしょうか。
行方市のふるさと納税
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