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寄付金の使いみち

佐賀市のごみ処理施設が地域を活性化!経済性を伴った炭素循環社会を実現

地域が誇る銘菓やブランド牛、旬の農産物や水産物、店舗や旅行で便利に使用できる優待券など、ふるさと納税には、バラエティに富んだ返礼品が揃っています。

ふるさと納税の楽しみは、返礼品を選び、受け取ることだけではありません。

縁(ゆかり)のある地方自治体や、お世話になった思い入れのある自治体などへの寄附金の使いみちを選ぶことで、自身の寄附金が町や村に与える影響を知ることも一つの醍醐味となるでしょう。

ふるさと納税バイブルでは、返礼品が目的の寄附だけではない選択肢を知ってもらうために、全国の自治体に寄附金の使いみちを伺い、その想いを発信していきます。

今回取り上げるのは、脱炭素や資源循環型社会の構築を目指し、国内外の注目を集めている佐賀県佐賀市の取り組みです。

「敬遠される施設」から「歓迎される施設」へと変貌を遂げた清掃工場

日本で初めて、ごみ焼却施設から二酸化炭素を分離回収する設備を設置した佐賀市。二酸化炭素を野菜や微細藻類の成育促進に活用する取り組みを進めています。

ふるさと納税の寄附金も佐賀市が目指す「持続可能な脱炭素・資源循環のまちづくり」に充当されています。

佐賀市が二酸化炭素分離回収事業に取り組むことになったきっかけは、市町村合併、ごみ処理施設の統廃合でした。

2005年から2007年にかけて「平成の大合併」が行われた結果、佐賀市では4か所のごみ処理施設を有することになりました。それにより施設の維持費・人件費の問題が大きくのしかかり、当時一番新しい清掃工場に集約する計画を立てることになったのです。

「ごみを1か所に集約することは、清掃工場の近隣住民にとっては好ましいことではなく、合意に至るまでに7年を要しました。住民に迷惑な施設ではなく、資源やエネルギーなどの価値を生み出す『住民に歓迎される施設』に転換することを目指したのです。すでに下水浄水センターでは排水の活用を行っていたのですが、そういった取り組みを清掃工場でもできないかと考えたのです」

(佐賀県佐賀市自治体担当者・以下同)

市は2014年に「バイオマス産業都市構想」を策定し、国の認定を受けました。

そして、2016年8月には二酸化炭素分離回収設備が稼働を開始し、これまでに15億円の設備投資を行っています。

事業が安定し継続した結果、地域産業の活性化と、新たな雇用の創出にもつながりました。

「二酸化炭素分離回収設備が稼働した当時は、清掃工場周辺は田畑が広がっていましたが、現在では、半径500m以内に複数の企業が事業所を構え、周辺には住宅が多数建設されるまでに変貌を遂げました。2020年に九州経済調査協会が行なった調査により、この事業がもたらした経済波及効果は54億円以上と算出されています」

廃棄物がエネルギーや資源として価値を生み出す

佐賀市が目指すバイオマス産業都市の将来像は、「廃棄物であったものが、エネルギーや資源として価値を生み出しながら循環するまち」。

バイオマス事業の基本方針は、

  • 既存の施設(清掃工場、下水浄化センター)を活用した事業に取り組む
  • 市が仲介役となり企業間の連携を実現する

その中で重点を置いているものが「二酸化炭素の活用」です。

「二酸化炭素は地球温暖化の原因とされていますが、農作物が育つための光合成には欠かせません。佐賀市は農業が盛んな地域ですが、高齢化や人口減少、ハウス栽培の減少も顕著です。二酸化炭素を利用することにより、農作物の品質向上と、収穫量の増加につながります。これにより農業従事者の所得が増え、雇用が生まれます。若い方に農業に就業していただき、人口流出の抑制をできたらという思いで事業を行っています」

二酸化炭素分離回収設備では1日に約10トンの二酸化炭素が回収可能であり、二酸化炭素は食品添加物の基準を満たす99.5%以上の高純度で、3つの事業所に供給しています。

なお、この施設で生まれた原料をもとに製造した食品や化粧品は、ふるさと納税の返礼品としても提供されています。

例えば、(株)アルビータでは、「ヘマトコッカス藻」という藻類を培養し、高い抗酸化力を持つアスタキサンチンの成分を抽出します。この成分は、化粧品やシャンプー、サプリメント等に活用されています。

アスタキサンチンを配合したローション

洋菓子販売会の(有)ムーラン・ルージュはヘマトコッカス藻を飼育する鶏に与え、アスタキサンチン入りの卵の製造を始めました。

アスタキサンチン入りの卵を使ったバウムクーヘン「三瀬バウム」。濃厚でコクのある味わい

(株)アルビータの事業用地は、他社との協業エリアとしても利用されています。

例えば、花王(株)は化粧品の原料となるカモミールやローズマリーを栽培、(株)熊谷組はアクアポニックス(農業と漁業を組み合わせた新たな産業)と藻類培養を組み合わせた持続可能な一次産業を創出するための実証事業を開始しています。

ゆめファーム全農SAGAは、大規模多収栽培技術の確立を目指す実証施設です。

清掃工場から出る熱のエネルギーも活用し、きゅうりの栽培を行っています。安定した二酸化炭素・熱の供給により、継続的に全国平均収量の約3~4倍の収穫効果をあげています。

電気設備工事をメイン事業とする(株)佐電工が取り組んでいるのは、イチゴ栽培。

二酸化炭素を活用することにより均一な栽培環境を実現し、収量アップに繋げています。

減農薬で贈答用のイチゴ「恋みのり」を栽培し、佐賀県の特別栽培の認証を受けています。

香り豊かで甘さと酸味のバランスのよい「恋みのり」

さらなる二酸化炭素の活用へ向けての取り組み

現在、佐賀市の二酸化炭素の分離回収装置で回収できる二酸化炭素は年間で3,300トンにのぼります。市のバイオマス事業全体では、年間9万トンの二酸化炭素削減効果があり、これはおよそ1万人分の二酸化炭素排出量に相当します。佐賀市の努力が無理のない地球温暖化の抑制に貢献しているといえます。

佐賀市は、新たな二酸化炭素の活用法を考えており、さらなる利用拡大を試みています。

「現在は、二酸化炭素の供給が気体に限られているため、植物の光合成が行われない夜間や曇天時には使用できません。またパイプラインを通じて供給しているため、範囲が限られています。そこで二酸化炭素を液化して、ボンベやドライアイス、人工炭酸泉として供給することを検討しています。また、バイオマス由来の二酸化炭素の価値を高めることを目的に、清掃工場からの二酸化炭素としては世界で初めて「ISCC PLUS認証 (国際持続可能性カーボン認証)」を取得しました。」

佐賀市に寄附されたふるさと納税は、国際認証にかかる費用、二酸化炭素の供給設備の増設、新たな技術開発実証などに活用されています。

経済と環境の両立によって、人口減少や農業衰退の解決、市民の誇りを醸成することを目指している佐賀市の取り組みを応援したいという方は、ぜひ寄附をお願いいたします。

自治体情報

佐賀県の中東部に位置し、福岡市の通勤圏内でありながら自然豊かなまち。

市は南北に長く北は山間地、南は平野となっており、その先には有明海が広がります。

「バルーンのまち」として知られ、毎年秋には嘉瀬川河川敷で日本最大の熱気球大会「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」が開催されています。

2024年10月には国民体育大会から国民スポーツ大会に名称が変わって初めて佐賀県で開催され、市も大きな盛り上がりをみせています。

特産品は、贈答用としても喜ばれている「佐賀のり」や、きめ細かな霜降りが美しい 「佐賀牛」など。

「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」の様子。色とりどりの気球が空を舞う

佐賀市のふるさと納税

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