投稿日:2024年6月3日
地域が誇る銘菓やブランド牛、旬の農産物や水産物、店舗や旅行で便利に使用できる優待券など、ふるさと納税には、バラエティに富んだ返礼品が揃っています。
ふるさと納税の楽しみは、返礼品を選び、受け取ることだけではありません。
縁(ゆかり)のある地方自治体や、お世話になった思い入れのある自治体などへの寄附金の使いみちを選ぶことで、自身の寄附金が町や村に与える影響を知ることも一つの醍醐味となるでしょう。
ふるさと納税バイブルでは、返礼品が目的の寄附だけではない選択肢を知ってもらうために、全国の自治体に寄附金の使いみちを伺い、その想いを発信していきます。
今回取り上げるのは、竹取公園を中心としたまちづくり「花讃道(はなさんどう)プロジェクト」や「トイレピカピカ大作戦」などの独自の取り組みを行う奈良県広陵町です。
かぐや姫の生まれ故郷、広陵町
豊かな自然に恵まれた広陵町は、町営の「竹取公園」や国内有数の古墳群を誇る「馬見丘陵公園」など、都市公園が充実しています。
なかでも、町のシンボルのような存在が、6万5,000平方メートルもの広大な敷地面積を誇る竹取公園です。園内には広場や大型遊具が充実しており、季節を彩る花々も見どころのひとつ。長年にわたって町民の憩いの場として親しまれており、休日には大阪などから多くの家族連れで賑わいます。
竹取公園という名前は、現存する日本最古の物語として知られる「竹取物語」が由来です。
「広陵町は、かぐや姫の生まれ故郷といわれています。かぐや姫の育ての親である竹取の翁は、物語の中で『讃岐造(さぬきのみやつこ)』という名で登場します。竹取公園のすぐ隣に讃岐神社という小さな神社があり、竹取の翁は大和朝廷に仕えるため、竹の豊富なこの神社周辺に住んでいたと考えられているのです」(広陵町自治体担当者・以下同)
ー毎年10月には「広陵かぐや姫まつり」が開催されるー
この竹取公園を中心としたまちの環境整備「花讃道プロジェクト」に、ふるさと納税の寄附金が活用される予定です。
「花讃道プロジェクトは、令和3年に県から認可を得て動き出したプロジェクトです。町にとって重要な位置づけの取り組みで、ふるさと納税で広陵町に寄附をいただく際は、その使いみちとして『花讃道プロジェクト』または『町長にお任せ』のふたつから選択いただいています。現在は、計画づくりや見積もりの段階のため、いただいた寄附金は基金として大切に積み立てております」
「花讃道プロジェクト」とは
花讃道プロジェクトは、竹取公園周辺エリアを対象に、住民の安心・快適な生活環境を実現するとともに、公園や古墳などの地域資源を活かした賑わいの創出を目指すまちづくりプロジェクトです。
「花讃道」という名前は、馬見古墳群に至る道を古墳に参る道=「参道」として捉え、竹取公園の特徴である四季を彩る花をたたえ親しまれる道となるように、との想いを込めて名付けられました。
「公園周辺は、イチゴを栽培する観光農園や国指定の古墳群など、広陵町の魅力がぎゅっと詰まったエリアです。そこをしっかりと区画整備し、住民や観光客が安全に楽しく散策できるようにエリアづくりしていこうというのが、このプロジェクトの目指すところです。
例えば、今後、公園ではマルシェなどの開催も考えていますが、現状の道路状況のままでは使い勝手が悪い面があります。そこで、欧米の事例も参考に歩道を拡幅することで、イベントやコミュニティスペースとしての機能を持たせたいと考えています」
ー実証実験時のマルシェの様子ー
そのための実証実験として、令和5年には車道を一部通行止めにし、疑似的な歩道拡幅によるフードマルシェを開催。将来的には、公園内にカフェやレストランなどを整備し、地場産業の活性化にも取り組んでいく考えです。
学校や公園を綺麗にする「トイレピカピカ大作戦」
ほかにも広陵町では、「町長にお任せ」の寄附金の使いみちとして、公園や学校を対象にした「トイレピカピカ大作戦」を行っています。
「町内の公園のトイレは和式のものが多いため、その洋式化を進めています。竹取公園のトイレもかなり老朽化していますので、花讃道プロジェクトに先んじてトイレの整備を進めているところです。
ー竹取公園のトイレー
もともと、このトイレピカピカ大作戦はコロナ禍前後の令和2年に始めたものでして、最初にピカピカにしたのは学校のトイレです。そうした教育関係の施設の整備には優先的に寄附金を充当しています」
トイレだけでなく、図書館の視聴覚室、竹取公園で人気の遊具・ローラー滑り台の改修などにも寄附金が活用されています。
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「花讃道プロジェクト」や「トイレピカピカ大作戦」など、暮らしや観光、教育といった多角的な視点でまちの環境整備を進める広陵町を応援したいという方は、ぜひ広陵町への寄附にご協力をお願いいたします。
自治体情報
広陵町は、奈良盆地の中西部に位置する県内で最も人口の多い町。不動産会社が行っている「街の住みここちランキング<奈良県版>」では、5年連続トップ3にランクインするなど、住みやすい町として定評があります。その理由として挙げられるのが、教育水準の高さや子育てしやすい環境。町内にはカフェやレストランも充実しており、子育て世帯の移住者が増えています。
竹取公園や馬見丘陵公園をはじめとした、公園や自然にあふれているのも大きな魅力。ふるさと納税の返礼品として人気のいちごの栽培も盛んで、直売所も増えています。地場産業である靴下の生産量は日本一を誇り、その確かな技術力と品質で多くのメーカーやブランドを通じて世に送り出されています。
広陵町のふるさと納税
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