
地域が誇る銘菓やブランド牛、旬の農産物や水産物、店舗や旅行で便利に使用できる優待券など、ふるさと納税には、バラエティに富んだ返礼品が揃っています。
ふるさと納税の楽しみは、返礼品を選び、受け取ることだけではありません。
縁(ゆかり)のある地方自治体や、お世話になった思い入れのある自治体などの寄付金の使いみちを選ぶことで、自身の寄付金が町や村に与える影響を知ることも一つの醍醐味となるでしょう。
ふるさと納税バイブルでは、返礼品が目的の寄付だけではない選択肢を知ってもらうために、全国の自治体に寄付金の使いみちを伺い、その想いを発信していきます。
今回取り上げるのは、黒糖菓子や黒糖焼酎、天然塩など地域ならではの返礼品が人気の鹿児島県喜界(きかい)町です。
教育関連の事業が充実
現在喜界町には、小学校が2校、中学校・高校が1校あり、「子供の就学に関する事業」に力を入れています。寄付金も、教育関連の事業に多く充当されています。
入学祝金事業では、小中高に入学する際に、入学祝い金として、制服など入学に必要な費用の補助に寄付金を活用しています。
こうした補助は、子育てや子供の教育にかかる家庭の費用を軽減したいという想いから実施されています。
また、英検や漢検、商業簿記など、学校が指定した中高生の各種検定費用の助成も行っています。教育費の負担軽減のほかに、島の子どもたちの資格取得率向上という目的があります。
喜界島をフィールドに学ぶ「サンゴ留学」
喜界町では2023年から、島にある唯一の高校「鹿児島県立喜界高等学校(喜界高校)」への離島留学「サンゴ留学」を受け入れています。
「喜界島は、海で生きたサンゴが作り上げたサンゴ礁がそのままの形で陸になっている、奇跡の島です。さらにサンゴ礁研究の聖地でもある喜界島には、日本で唯一のサンゴ礁の研究に特化した研究所『喜界島サンゴ礁科学研究所』があります。
『サンゴ留学』とは、高校生活の3年間を喜界町が指定する寮に入り、喜界高校に通いながら、その喜界島サンゴ礁科学研究所で喜界島をフィールドにさまざまな分野を学ぶ留学制度です。」(「」太字…喜界町自治体の方の言葉)
寮での講義風景
サンゴ留学に伴い、学生寮「KIKAIJIMAマザーツリーハウス」を整備し、令和4年2月に完成しました。寮に関わる経費には、寄付金も多く活用されました。
「喜界高校の生徒数は、今年(2023年)約140名。そのうち6名が島外から来ているサンゴ留学生です。
島外生を受け入れることで生徒数増加にも繋がるだけでなく、島内・島外での競争意識も生まれ、切磋琢磨し勉学に励むことができる環境になると良いと思っています。」
島での研究でスキルを身に付ける
島外の生徒たちは、サンゴ礁化学研究所で週に2日間、島に関する研究を行っています。
休日の農家さんとの風景
「サンゴ留学は、島でないとできないような学習プログラムになっています。研究対象はサンゴ礁だけでなく、環境分野や文系など、さまざまなことを学ぶことができます。
そして各々の生徒が、自分の興味あること、知りたいことを学べる環境になっています。
離島留学自体は前例がありますが、研究まで行うことは珍しいのではないでしょうか。」
サンゴ留学では、研究を行うだけでなく、研究結果をまとめて発表も行います。調べたことを分かりやすくまとめて伝えるという、大学生や社会人でも役立つスキルが身に付く良い学びの場となっています。
離島留学生になるためには
喜界町の離島留学生になるためには、下記の条件が必要になります。
- 高校の3年間を通して、喜界島サンゴ礁科学研究所でさまざまな分野を【まなぶ】こと。
- 喜界町の入寮審査に合格すること。
- 喜界高校の一般入学者選抜生徒募集要項に基づく学力検査に合格すること。
※喜界町の入寮審査の後、喜界高校の学力検査があります。入寮審査と学力検査は別となります。
詳しくはこちらをご覧ください。
離島留学生のこれから
「留学した島外の生徒たちは、喜界高校で学んだあと、それぞれの分野で目標を決め島を出ることになります。3年間で喜界島を知ってもらい、魅力を全国に広めてもらえれば良いと思っています。
そして島を気に入ってもらえたら、またいつかぜひ帰ってきてもらいたいですね。」
来年度、喜界町は、新たに喜界高校の寮を建設する予定です。さらに生徒数を増やす取り組みも行い、離島留学生の募集も検討しています。
さらに喜界町では出産費用の補助や子どもを連れて交流できるコワーキングスペースの整備など、子育てしやすいまちづくりを目指した事業も積極的に行っており、寄付金も活用されています。
喜界町ならではの教育事業を応援したいという方は、ぜひ寄付に参加してみてはいかがでしょうか。
自治体情報
鹿児島県喜界町は、本土より南へ約380km沖に浮かぶ奄美大島から東に約25kmの位置にある、周囲約48kmの島です。
サンゴ礁が隆起してできた珍しい島です、現在も年平均約2mmずつ隆起し続けています。
島内では美しいビーチはもちろん、サンゴ礁の石垣やサトウキビ畑が広がる、南国ならではの絶景を満喫できます。
年間を通して温暖で、ハイビスカスやブーゲンビリアなど、熱帯の花が咲き誇り、それらの植物を求めてオオゴマダラやアサギマダラといった美しい蝶が飛び交います。
喜界町の有名な観光スポット
喜界町の主な観光名所は、下記のとおりです。
- スギラビーチ…青く透き通る天然の入江。海水浴やマリンスポーツが楽しめる
- 小野津海岸…白い砂浜と青く透き通った美しい海。ウミガメの産卵地
- ハワイビーチ…シュノーケルスポットで、魚やサンゴも楽しめる
- テーバルバンタ…喜界島を構成するすべての段丘が一望できる
- 百之台国立公園…奄美十景の一つで、水平線の絶景スポット
- トゥヌムトゥ公園…坂の上の絶景スポットで、島の北西部一帯を見渡せる公園
- 喜界島シュガーロード…全長約3.5キロ、サトウキビの一本道
鹿児島県喜界町のふるさと納税
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