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寄付金の使いみち

黄金色の絶景「曽爾高原のススキ」を取り戻すためにできること

地域が誇る銘菓やブランド牛、旬の農産物や水産物、店舗や旅行で便利に使用できる優待券など、ふるさと納税には、バラエティに富んだ返礼品が揃っています。

ふるさと納税の楽しみは、返礼品を選び、受け取ることだけではありません。

縁(ゆかり)のある地方自治体や、お世話になった思い入れのある自治体などの寄付金の使いみちを選ぶことで、自身の寄付金が町や村に与える影響を知ることも一つの醍醐味となるでしょう。

ふるさと納税バイブルでは、返礼品が目的の寄付だけではない選択肢を知ってもらうために、全国の自治体に寄付金の使いみちを伺い、その想いを発信していきます。

今回ご紹介するのは、曽爾村産のお米を使用した米粉の商品や、曽爾村の地下水を使用したクラフトビールなどの返礼品で人気の奈良県曽爾村(そにむら)です。

曽爾村は、奈良県の東北端に位置する小さな村です。「日本で最も美しい村」連合に加盟しており、室生火山群に属する1000m級の山々、岩肌があらわな屏風岩、ススキの大海原で有名な曽爾高原など、美しい自然の風景が魅力です。

輝く一面のススキが美しい、曽爾高原

曽爾村一番の観光地である曽爾高原は、秋にはススキが一面に覆われる、約40ヘクタールの広大な草原です。

毎年2月に山焼きが行われ、春には一面が新緑の草原となります。夏に近づくにつれススキの背も高くなり、秋には成長したススキが銀色・金色に輝きます。毎年美しい曽爾高原の風景を眺めるため、約40万〜50万人の観光客が訪れています。

「曽爾高原は、もともと茅場でした。かつて曽爾村の中に茅場は何箇所もありましたが、戦後の人工林の植え替えにより、現在広大な面積で残っているのは曽爾高原のみとなりました。

多くの観光客が訪れるようになったのは、平成になってからです。大阪や名古屋から1時間半程度で来れる場所ということもあり、関西圏の方が多い印象ですね。高原には、『国立曽爾青少年自然の家』という宿泊施設があり、学生の方が合宿やキャンプで訪れています。」(「」太字…曽爾村自治体の方の言葉)

年々ススキの生育が悪化

曽爾村の寄付金の使いみちで一番多いのが、「自然環境の保護」です。主に、曽爾高原のススキの生育を促す「曽爾高原再生プロジェクト」に活用されています。

「曽爾高原は美しいススキの風景が魅力ですが、ススキの生育自体は年々悪化しています。ススキの高さが十分でなかったり、茎が細くなっていたりと、昔に比べて生育の悪さが目立つと言われることが多くなりました。

10年、20年前から曽爾高原に来てくださっている方の中には、風になびくススキがなかなか見れなくなったことを寂しく思う人もいるようです。」

曽爾高原のススキの生育が不安視されるようになったのは、平成25年ごろから。

曽爾高原は、曽爾村屈指の観光名所です。ススキの生育の悪化が、観光業にも影響が出ると懸念されました。

そして令和元年ごろ、ススキの生育を助ける「曽爾高原再生プロジェクト」が始まりました。

曽爾高原再生プロジェクト

曽爾高原再生プロジェクトでは、ススキの生育不良の原因究明、また解決に向けてのさまざまな対策を行っています。

1.獣害対策

1つ目は、ススキの新芽を好む鹿などの動物への対策です。

ススキの生育が悪くなった原因の一つに、鹿がススキの新芽を食べてしまい、生える本数自体が減ってしまったことが考えられます。

曽爾村は、鹿を高原に入りづらくするため、害獣ネットを設けました。

また、鹿以外の野生動物の中にも、ススキの新芽が好物の動物は多くいるようで、全般的な害獣対策の目的もあります。

2.山焼きの実施期間変更

2つ目は、山焼きの実施期間の変更です。

山焼きとは、枯れ木や枯れ草を焼くことで害虫を殺し、その灰が肥料となり、新しい草の生長を助けるというものです。

曽爾高原では、もともと毎年3月に山焼きを行っていました。しかし、3月は新芽が出始めるころでもあります。山焼きを行うことで新芽を焼き払ってしまう恐れが懸念され、実施期間を1〜2月ごろに早めることとしました。

3.肥料散布

3つ目の取り組みは、肥料を散布し、ススキの成長を促す対策です。

曽爾村は、曽爾高原再生プロジェクトが始まった令和元年頃から、小型の無人ヘリで空中から肥料を散布する取り組みを行っています。

毎年約3ヘクタールずつ、特にススキの生育の悪い地域を中心に肥料散布を行っており、生育自体は徐々に良くなっているとのこと。

さらに、生育の良いススキの株を、生育の悪い地域に植え替えるという対策も行っています。

曽爾村では、先述した山焼きや、株の植え替えの事業者への委託料、ススキの肥料代などに、ふるさと納税の一部を充当しています。

「昔と変わらないね」と言ってもらえるその時まで

国定公園にも指定されている曽爾高原は奈良県が所有しており、対策を打つ際も県の許可が必要となります。村独断では動ける状況ではないなか、美しいススキの風景を取り戻すため、できる範囲のことをやっていこうと曽爾村で動き出したのが、「曽爾高原再生プロジェクト」です。

「まだすべての施策で効果が実証できている段階ではありませんが、今後も寄付金を活用させていただきながら、少しずつ昔の曽爾高原の姿に戻せるよう継続して取り組みを行っていく予定です。

10年、20年ぶりに曽爾高原に来ていただいた方に、『昔と変わらないね』と言ってもらえたら、それがある種のゴールではないでしょうか。」

曽爾高原再生プロジェクトを応援したいと思った方は、ぜひ寄付に参加してみてはいかがでしょうか。

自治体情報

奈良県の東北端に位置する小さな村。村の中央を流れる曽爾川に沿って、9つの集落が形成されている。平均降水量1836㎜、平均気温13℃の高原冷涼多雨地帯。 村の西側には、柱状節理の岩肌があらわな屏風岩があり、兜岳及び鎧岳は国の天然記念物に指定されている。東側には、ススキの大海原で有名な曽爾高原があり、村の大半が室生赤目青山国定公園に指定されている。 「日本で最も美しい村」連合に加盟している。

奈良県曽爾村のふるさと納税

奈良県曽爾村の基礎情報や、返礼品をまとめてご覧いただくことができます。

曽爾村のふるさと納税

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