
投稿日:2026年7月6日
地域が誇る銘菓やブランド牛、旬の農産物や水産物、店舗や旅行で便利に使用できる電子ポイントなど、ふるさと納税には、バラエティに富んだ返礼品が揃っています。
ふるさと納税の楽しみは、返礼品を選び、受け取ることだけではありません。
ゆかりのある地方自治体や、お世話になった思い入れのある自治体などへの寄附金の使い道を選ぶことで、自身の寄附金が自治体に与える影響を知ることも一つの醍醐味となるでしょう。
ふるさと納税バイブルでは、返礼品が目的の寄附だけではない選択肢を知ってもらうために、全国の自治体に寄附金の使い道を伺い、その想いを発信していきます。
今回ご紹介するのは、豊かな自然と鮭文化の歴史を持ちながら、公共交通の課題に独自の発想で向き合う北海道石狩市です。
札幌まで車で30分、自然豊かな「ちょうどいい暮らし」のまち
石狩市は、札幌市の北側に隣接し、日本海に面したまちです。
札幌市の中心部から車で約30分という絶好の立地でありながら、人工的な都市とは一線を画す豊かな自然環境が魅力のまちです。一軒家の住宅が多く、土地もゆったりしていて、札幌や東京と比べても広い空間でのびのびとした生活が実現できます。
食の面では、「石狩鍋」に代表されるように、鮭がこのまちの歴史と深く結びついています。石狩市はもともと鮭の漁獲と加工で栄えてきたまちであり、鮭はまさに石狩を象徴する食文化です。石狩湾の豊かな海の恵みが、市民の食卓を今も彩っています。

石狩鍋
子育ての面でも暮らしやすい環境が整っています。市内には、子どもたちが走り回れる公園が豊富にあり、少し車を走らせれば海水浴場やキャンプ場といった大自然の中で遊べる場所があります。一方で、一般的なスーパーやホームセンターだけでなく、郊外には会員制スーパー「コストコ」もあり、都市の利便性と自然の豊かさを両立したまちです。

寄附金の使い道・交通施策推進事業——
〜一冊の冊子が、まちの足を守る〜
南北70キロ、バスだけが頼りのまちで起きていること
石狩市は平成17年に厚田村・浜益村と合併し、南北に約70キロという非常に縦長の自治体です。
東京駅から埼玉の深谷や神奈川の小田原まで、県をまたぐほどの距離が一つの自治体に収まっているイメージです。
このまちの公共交通機関はバスのみです。JRも地下鉄もなく、車を持たない方はバスかタクシーに頼るしかありません。
ところが近年、全国的な運転手不足や人口減少の影響でバスの減便・廃線が相次ぎ、石狩市でも深刻な影響が出ています。
石狩湾新港(工業地域)への路線は令和6年に、石狩市役所より北の地域への路線は令和7年に、さらに令和8年3月にも廃線となりました。特に厚田・浜益地区は高齢化率が40〜50%以上の超高齢社会であり、高校・大学もないため通学のために市外へ出る人も多く、人口流出に歯止めがかからない状況です。
車を持たない高齢者や若者にとって、バスの廃線は文字通り死活問題です。

厚田花川線車両
「いつモ」があれば、どこへでも
こうした状況に対応するため、石狩市交通政策課ではデマンド交通「いつモ」を代替交通として導入し、住民の日常生活の足を確保する取組を進めています。
デマンド交通とは、利用者が事前に予約をして乗車するデマンド型の交通サービスです。路線バスのような固定ルートではなく、利用者のニーズに合わせて柔軟に運行できるのが特徴です。
寄附金が生んだ一冊——「石狩市公共交通まるわかりBOOK」
しかし、いくら便利な交通サービスがあっても、使い方がわからなければ意味がありません。路線廃止が次々と決まる中、市民からは「どうやって使ったらいいの?」という問い合わせが殺到していました。
そこで寄附金を活用して作られたのが、「石狩市公共交通まるわかりBOOK」です。
デマンド交通「いつモ」の乗り方・使い方をわかりやすくまとめた冊子で、令和7年度に制作されました。
この冊子には、一見して「市役所の発刊物」と思わせない工夫が随所に施されています。
石狩市の市の鳥・カモメをモチーフにした「かもなちゃん」と「かいとくん」というオリジナルキャラクターが登場し、路線ごとに色を分けたり、見開き一ページで情報が完結するレイアウトにしたりと、視認性と親しみやすさを徹底的に追求しました。
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高齢者が主な利用者であることを意識し、文字も大きめに設定されています。着手から完成まで約8か月をかけて制作されました。
当初はもう少しページ数の少ないものを予定していましたが、令和7年に相次いで路線廃線が決まったことで、急遽4ページほどの増ページが必要になりました。
この増加分の制作費用に寄附金が活用されており、
「寄附金があったからこそ、変化する交通事情にリアルタイムで対応できた」
と担当者は話します。
冊子は広報いしかりの3月号と同時期に配布されたほか、市内の公共施設・学校・スーパーなどにも設置されています。
ウェブ版もホームページ上で公開されており、紙とデジタルの両方で情報提供がなされています。
また、説明会で自分なりに書き込んでオリジナルの乗り方ブックを作っている市民の姿も見られたといい、まちに根付いた冊子になっていることが伝わってきます。

住民説明会
「市役所らしくない」デザインを実現した若手チーム
この冊子のデザイン面で中心的な役割を果たしたのが、DX推進課が令和7年度に発足させた「サービスデザインプロジェクトチーム」です。
20代1名・30代2名の計3名の若手職員で構成されるこのチームは、UX(ユーザー体験)の視点で市民にとってわかりやすく使いやすい行政サービスの実現を目的に活動しています。

まるわかりBOOK編集会議様子
交通政策とは異なる部署のメンバーが関与したことで、「一市民の目線」で冊子を見直すことができました。文字の大きさ・行間・フォント・色使いなど細部にわたって議論を重ねたことが、完成度の高さにつながっています。
「子どもからお年寄りまで幅広い世代が使うものだからこそ、誰が見てもわかりやすいものにするためにこのチームに協力いただいた」
と担当者は振り返ります。
目指すのは「乗るハードルをゼロに」
今後の展望について担当者はこう語ります。
「この冊子を通じて、公共交通・デマンド交通に乗れない方をゼロにしたい。乗るにあたっての心理的なハードルを下げられるようなものになっていくことが一番の目標です」
また、将来的には「かもなちゃん」と「かいとくん」を車両のラッピングやグッズ展開にも活用し、公共交通そのものの魅力を高めていきたいというビジョンも描いています。
石狩市の地域づくりを支える、ふるさと納税の力
石狩市では、鮭文化の継承から公共交通の維持まで、豊かな自然に根ざしたこのまちならではの取組が、今日も静かに続けられています。
こうした取組を力強く支えているのが、ふるさと納税の寄附金です。
返礼品をお楽しみいただいたそのあとに、ぜひ一度、石狩市の風景を現地で感じてみてください。
あなたの寄附がどのようにまちの暮らしに生かされているのか。その答えを、きっと目で見て、心で感じていただけるはずです。
返礼品の紹介
1.鮭ルイベ漬け
石狩市を代表する返礼品が、佐藤水産株式会社の「鮭ルイベ漬け」です。
天然鮭にこだわり続ける同社の主力商品で、サーモンとイクラを魚で作った醤油で漬けた珍味です。
北海道物産展でも人気の高い商品で、石狩市のふるさと納税の中でも上位を占める定番返礼品です。
お酒のおつまみにも、白米に乗せても美味しく楽しめる、石狩の鮭文化が詰まった一品です。

鮭ルイベ漬
2.ありがとうハンバーグ
株式会社ホクビーが手がける「ありがとうハンバーグ」は、北海道産牛肉を100%使用したふるさと納税返礼品限定の商品です。
同社は主にレストランやホテルなどの業務用に加工肉を供給する企業で、一般消費者向けの販売はほとんど行っていません。
このハンバーグは均等に配置された穴が特徴で、冷凍のまま焼くことができ、焼き上がりにはしっかりと膨らむ仕組みになっています。冷凍庫でもかさばらない利便性の高さと、本格的な美味しさが多くの寄附者から支持されています。

ありがとうハンバーグ
3.ライジングサンロックフェスティバル チケット
1999年から石狩市で開催されている「ライジングサンロックフェスティバル(RSR)」は、日本初の本格的なオールナイト野外ロックフェスティバルとして、四半世紀以上にわたって全国の音楽ファンを魅了し続けてきた歴史ある夏の祭典です。
2026年は8月14日(金)・15日(土)に、石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージにて開催されます。
石狩市はRSRを地域の文化資源として捉え、地元高校生をはじめとした地域住民との連携や音楽を通じたまちづくりにも積極的に取り組んでいます。
寄附という形で石狩市の未来を応援しながら、北海道の大自然の中で音楽の感動を体感してみてください。
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自治体情報
石狩湾に面した札幌市の北側に隣接する石狩市は、豊かな自然と鮭の歴史が重なり合う、のびのびとした暮らしが魅力のまちです。
雄大な日本海の海岸線と、広大な農地・緑地が広がる風景は、訪れる人の心をゆったりとほどきます。四季の変化がはっきりしており、冬は雪景色、夏は涼やかな海風が、市民の暮らしに季節ごとの豊かさをもたらしています。
市内には一軒家の住宅が多く広がり、土地の広さとゆとりある生活空間が心地よく同居しています。石狩鍋に代表される鮭文化の歴史、夏の野外フェス・ライジングサンロックフェスティバルに象徴される音楽と自然の融合など、多彩な文化と産業が息づいています。
石狩市の大きな魅力の一つが、札幌市へのアクセスの良さです。中心部から車で約30分という距離に位置しながら、都市とは異なる豊かな自然環境の中でゆったりと暮らせる環境が整っています。自然に触れながらも利便性もあり、子育てしやすいまちとして子育て世代にも選ばれています。
平成17年の合併により南北約70キロに及ぶ広大な自治体となった石狩市は、厚田・浜益地区など北部の豊かな自然と観光資源も持ち合わせています。公共交通の維持という課題にも真剣に向き合いながら、すべての市民が暮らしやすいまちづくりを進めています。
海と自然、そして人々の営みが広がる石狩市は、どこかおおらかな北海道らしさを感じさせながら、新しい魅力を取り込み続けるまちです。
石狩湾の光と風に抱かれたこの地は、今も静かにその豊かさを語り続けています。
石狩市のふるさと納税
北海道石狩市の基礎情報や返礼品をまとめてご覧いただくことができます。
