
投稿日:2026年3月2日
地域が誇る銘菓やブランド牛、旬の農産物や水産物、店舗や旅行で便利に使用できる電子ポイントなど、ふるさと納税には、バラエティに富んだ返礼品が揃っています。
ふるさと納税の楽しみは、返礼品を選び、受け取ることだけではありません。
縁(ゆかり)のある地方自治体や、お世話になった思い入れのある自治体などへの寄附金の使い道を選ぶことで、自身の寄附金が町や村に与える影響を知ることも一つの醍醐味となるでしょう。
ふるさと納税バイブルでは、返礼品が目的の寄附だけではない選択肢を知ってもらうために、全国の自治体に寄附金の使い道を伺い、その想いを発信していきます。
今回ご紹介するのは、結婚・子育て・学び・医療を通じて、人と人のつながりを大切にしたまちづくりを進める、和歌山県有田市の取組です。
暮らしの距離が近い、安心して暮らせるまち・有田市
和歌山県北西部に位置する有田市は、海・山・川といった自然環境に恵まれながら、生活圏がコンパクトにまとまった暮らしやすいまちです。市内にはJRの駅が3駅あり、特急列車も停車することから、大阪市内までは約1時間。通勤・通学圏としての利便性も確保されています。
都市の利便性と、地方ならではの穏やかな暮らし。そのバランスの良さが、有田市の魅力のひとつです。また、有田市は人と人との距離が近く、日常の中で自然と声を掛け合える関係性が根付いています。こうした「人の温かさ」は、移住希望者からも高く評価されており、毎年一定数の相談が寄せられています。
食の豊かさが日常にあるまち
有田市は、全国的にも知られる「有田みかん」の産地です。
有田みかんの特長は、甘さと酸味のバランスが良く、食べ進めても味が最後までぼやけないこと。その品質を守るため、有田市では原産地呼称管理制度を導入しています。
収穫されたみかんは、8名の審査員が実際に試食し、酸味と甘味のバランスに優れたものだけが認定されます。こうした厳格な基準が、有田みかんの信頼とブランド力を支えています。
旬は10月中旬から12月。農家が丹精込めて育てたみかんは、有田市の誇りであり、地域の大切な資源です。
ふるさと納税で育てる「有田市の未来」―寄附金の使い道
有田市では、ふるさと納税による寄附金を活用し、結婚・子育て支援、学びの場づくり、医療体制の整備など、暮らしを支える多様な取組を進めています。
ここからは、代表的な3つの事業をご紹介します。
結婚から自立までを、まち全体で支える
Marry You ~結婚するなら有田市で~
有田市が掲げる「Marry You ~結婚するなら有田市で~」は、結婚を起点に、妊娠・出産、子育て、そして自立までを一つの流れとして支えることを目的とした取組です。
背景にあるのは、「結婚や子育てをしたくても、経済的な不安が大きい」「支援制度が点在していて、分かりにくい」といった、若い世代の声でした。
そこで有田市では、令和3年度から各ライフステージに応じた支援制度をパッケージ化し、地域ぐるみで若い世代を応援する仕組みとして本事業をスタートさせました。

“結婚の一歩”を後押しする具体的な支援
結婚新生活支援補助金では、家賃や敷金・礼金、住宅取得費用、引越費用などを対象に、最大30万円(29歳以下は60万円)を補助。結婚直後の負担を軽減することで、「結婚を現実的な選択肢にする」支援となっています。
また、結婚祝贈呈事業では、新婚夫婦がこれまでお世話になった方へ、有田市の産品を通して感謝の気持ちを伝えることができます。上限1万円のカタログギフトを選び、贈ることで、人と人のつながりを大切にする有田市らしい制度となっています。
数字と声が示す、確かな手応え
結婚支援への申込は毎年約30件。アンケートでは約7割が「結婚のきっかけになった」と回答し、6割が「経済的不安の軽減につながった」と答えています。
目に見える移住数としてはまだ大きな数字には表れていないものの、「結婚から子育てまで一貫して支えてもらえるなら、有田市に戻りたい」という声もあり、有田市に居住するきっかけにはなっているようです。
今後は、就労や雇用支援とも連動させながら、SNSなどを活用した情報発信を強化し、より多くの人に制度の存在を届けていく考えです。
知の交流がまちを動かす
エンジン01 in 和歌山有田「未来にあつまれ!アリダーズ」
2024年11月、有田市で開催された「エンジン01 in 和歌山有田」は、人口3万人未満のまちから大きな変化を生み出すことを目指し、「知の交流」をテーマに実施された大規模イベントです。
エンジン01文化戦略会議が年に一度開催する“最大規模のオープンカレッジ”として、会員・地域・企業・団体が連携しながらつくり上げる、学びと交流の場となっています。
本大会は、パティシエの鎧塚俊彦さん(大会委員長)と望月良男前有田市長との縁をきっかけに動き出し、地元実行委員会とエンジン01側が密に連携。約2年の準備期間を経て、有田市全体を舞台に開催されました。

エンジン01 in 和歌山有田
有田市全体が“学びの場”になった3日間
開催期間は2024年11月22日(金)〜24日(日)の3日間。会場は有田市民会館、有田市立有和中学校、和歌山県立箕島高等学校、有田市健康スポーツ公園BIG SMILE PARKなど、市内各所に広がりました。
シンポジウムや多彩な講座に加え、まちなか講座、ハローワーク、「食と音楽と花火のアリダーズフェス」など、117コマのプログラムが展開され、まちそのものが“学びのキャンパス”になったような時間が生まれました。
参加講師は118名、来場者は延べ約12,000人。大会副委員長には有森裕子さん、夏野剛さんが名を連ね、実行委員として秋元康さん、堀江貴文さん、茂木健一郎さんなど、各分野の第一線で活躍するメンバーが集結しました。
多様な視点が持ち込まれることで、地域の「山・海・食・エネルギー・人・農業・漁業」といった資源を改めて見つめ直し、新しい気づきと価値の再発見につながる場となりました。

エンジン01文化戦略会議
“外に伝える”だけではなく、“内側が誇れる”機会に
来場者アンケートでは、すべてのプログラムで95%以上が「よかった」と回答。市外の参加者に有田市の魅力を発信するだけでなく、地域住民が主体的に関わり、ともにつくり上げたことが、まちへの誇りや一体感の醸成につながったといいます。
会期中は、スタッフジャンパーをオレンジ色で統一し、会場では有田みかんの配布も実施。視覚的にも印象的な演出を通じて「みかんといえば有田」という認知が広がり、参加者の記憶に残る“まちの体験”として刻まれました。
イベントの熱量が一過性で終わらず、地域のファン=関係人口へとつながっていく可能性を感じさせる取組でもあります。

エンジン01 in 和歌山有田
課題と、未来へのつなぎ方
一方で、来訪者や講師を迎えるなかで宿泊施設の不足といった課題も浮き彫りになりました。こうした現実的な課題を受け止めながらも、有田市では、このイベントで生まれた市内外の関心やエネルギーを絶やさず、市政70周年に向けたまちづくりへとつなげていく方針です。
有田市にとって「エンジン01」は、単なるイベント開催に留まらず、外からの視点を取り込みながら地域の価値を再認識し、次の挑戦へ向かう起点となる取組と言えるでしょう。

エンジン01 in 和歌山有田
「地元で産める」安心を未来へつなぐ
産婦人科診療所整備事業費補助
日本各地で産科医不足が深刻化するなか、有田市も例外ではありませんでした。
医師の高齢化や施設の閉鎖が相次ぎ、「地元で子どもが産めない」という現実が広がり、市民からは不安の声が多く寄せられていました。
この状況を受け、有田市は企業誘致の過程で出会った民間医療法人と連携し、産科クリニックの開設を支援。ふるさと納税の寄附金を活用し、改築費用や設備整備に対する補助を行いました。
医療を超えた、“地域の拠点”としての役割
この産婦人科診療所は、単に「お産の場」を残すだけでなく、地域にとっての大切な拠点となっています。2025年1月から12月までの延べ利用者数は15,137人、分娩数は196人に達し、「地元で子どもが産める」環境を守る存在として大きな役割を果たしています。
さらに、施設をきっかけに親子や地域住民が交流する場も生まれ、地域全体でお産を支える意識が少しずつ育まれています。ママ同士の集まりや忘年会など、自然なつながりが広がっている点も印象的です。
継続のための課題と展望
今後の課題は、いかにしてこの施設を持続的に運営していくか。
高速道路ICから約10分という立地を生かし、市外からの利用者を増やすことで、安定した運営につなげていくことが期待されています。
有田市では、「医療は暮らしの土台」と捉え、安心して子どもを産み、育てられる環境づくりを、これからも大切にしていく方針です。
有田市の地域づくりを支える、ふるさと納税の力
有田市のふるさと納税は、返礼品を受け取るためだけの制度ではありません。
人の暮らしを支え、地域の未来を育てるための大切な仕組みです。
結婚や子育て、学び、医療。
そのすべてに「人を大切にする」という想いが息づいています。
寄附を通じて、ぜひ一度、有田市の取組に目を向けてみてください。
そして機会があれば、現地を訪れ、人の温かさと暮らしやすさを体感してみてはいかがでしょうか。
有田市のふるさと納税返礼品
有田市のふるさと納税では、地域の魅力が詰まった返礼品が揃っています。
1.有田みかん(原産地呼称管理制度による高品質みかん)
2.みかん加工品(ジュース・ゼリー・陳皮など)
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3.うなぎの蒲焼


日々の食卓を通じて、有田市の恵みを感じていただけます。
自治体情報
和歌山県北西部、紀伊水道に面した有田市は、海と山に抱かれた自然豊かな環境と、コンパクトで暮らしやすい都市機能を併せ持つまちです。大阪市内からは電車で約1時間とアクセスも良く、都市と地方のほどよい距離感が、日々の暮らしにゆとりをもたらしています。
市内にはJR紀勢本線の駅が3駅あり、通勤・通学や移動の利便性も確保されています。市街地は平坦で移動しやすく、生活に必要な施設が身近に揃うため、子育て世代や高齢者にとっても安心して暮らせる環境が整っています。
有田市の名を全国に知らしめているのが、日本有数のみかんの産地としての歴史です。温暖な気候と段々畑が広がる山の斜面、そして生産者の長年の経験と技術が融合し、「有田みかん」という確かなブランドを築き上げてきました。甘味と酸味のバランスに優れたその味わいは、地域の誇りとして今も受け継がれています。
また、海に面した立地を活かし、漁業や水産加工も盛んです。山・海・川が近接する地形は、食文化の多様さを生み出し、日常の食卓に豊かな恵みをもたらしています。直売所や市内の飲食店では、地元の食材を活かした素朴で力強い味に出会うことができます。
市内には公園や運動施設も点在し、子どもたちがのびのびと遊べる環境が広がっています。結婚から子育て、自立までを見据えた支援制度や、地域で人を支え合う風土も根付いており、暮らしの中で人の温かさを感じられるまちでもあります。
海と山に囲まれた穏やかな風景のなかで、人と人とのつながりが息づく有田市。自然の恵みと生活のしやすさ、そして地域に根差した支え合いが調和するこのまちは、これからの時代にふさわしい暮らしのかたちを静かに描き続けています。
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