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寄付金の使いみち

通えない人に医療を運ぶ——奥州市が挑むモバイルクリニックの最前線

地域が誇る銘菓やブランド牛、旬の農産物や水産物、店舗や旅行で便利に使用できる電子ポイントなど、ふるさと納税には、バラエティに富んだ返礼品が揃っています。
ふるさと納税の楽しみは、返礼品を選び、受け取ることだけではありません。

縁(ゆかり)のある地方自治体や、お世話になった思い入れのある自治体などへの寄附金の使い道を選ぶことで、自身の寄附金が町や村に与える影響を知ることも一つの醍醐味となるでしょう。

ふるさと納税バイブルでは、返礼品が目的の寄附だけではない選択肢を知ってもらうために、全国の自治体に寄附金の使い道を伺い、その想いを発信していきます。

今回ご紹介するのは、広大な市域を活かしながら、医療を“届ける”モバイルクリニックの導入や、移動手段の確保に向けた公共交通の再構築など、暮らしの基盤を守る挑戦を続ける岩手県奥州市の取組です。

農業・工芸・工業が調和するまちの魅力

岩手県内陸南部に位置する奥州市は、自然と産業がバランスよく共存するまちです。
農業では、県内有数の作付け面積を誇るお米をはじめ、全国的に知られる前沢牛、江刺りんごなど、ブランド力のある特産品が揃います。

伝統工芸では、国の伝統的工芸品として指定されている南部鉄器や、岩谷堂箪笥など、長い歴史を受け継ぐものづくりが息づいています。
一方で、市内には工業団地も整備され、働く場も確保されています。農業だけに依存しない産業構造は、市の安定した基盤にもつながっています。

自然環境も豊かで、胆沢ダム周辺の景観やスキー場、キャンプ場など四季を感じられる場所が点在しています。新幹線の駅もあり、首都圏へは約2時間半。仙台市と盛岡市の中間に位置し、通勤通学の利便性も兼ね備えています。
さらに、メジャーリーガーの大谷翔平選手の出身地としても知られ、関連スポットを巡る観光も人気です。近隣には世界遺産平泉があり、歴史観光も楽しめます。

「案外思い思いに過ごせるんじゃないかな」。

それが、自治体職員の方が語る奥州市の実感です。

ふるさと納税で応援できる取組

奥州市は、広い市域を持つ合併市です。自然が豊かな一方で、人口減少や高齢化に伴う課題も抱えています。その中で、寄附金が支えているのが「医療」と「移動」を守る取組です。

医療を“届ける”挑戦 ― モバイルクリニック事業

令和6年2月にスタートしたのが「モバイルクリニック事業」です。
医師は診療所に常駐し、看護師と事務職員が医療機器を搭載した専用車両で患者の自宅まで向かう――。

現地と診療所をオンラインでつなぐことで、移動の負担を最小限に抑えながら診療を行う仕組みです。県内でもまだ数例にとどまる、先進的な取組です。

背景にあるのは、人口減少に伴う患者輸送バスの廃止や公共交通の縮小です。通院が困難な地域が生まれ、特に中山間地では、病院に行くために高額なタクシーを利用せざるを得ないケースも少なくありませんでした。
一方で、高齢の方が自らスマートフォンを操作し、オンライン診療を受けるのは容易ではありません。

そこで奥州市では、看護師と事務職員が同行し、通信環境や医療機器を整えた車両で訪問。患者は車に乗るだけで、普段の外来と変わらない感覚で医師の診察を受けることができます。

利用者からは、
 「家まで来てくれて本当にありがたい」
 「雪道を心配して送迎してもらわなくてよくなり、安心できる」
 といった声が寄せられています。

また、高齢の家族を支える方からは、「これまでは通院のたびに仕事を休んで送迎していたが、その負担が軽くなった」という声も。患者本人だけでなく、家族の生活や働き方も支える取組となっています。

この2年間で、在宅で最期を迎えられた方もいました。
医療を“運ぶ”ことができたからこそ、自宅で過ごす時間を大切にできた――。
関係者は、その意義の大きさを実感しているといいます。

一方で課題は、ランニングコストの高さです。診療報酬は対面より低く、人件費や車両維持費もかかります。住民サービスとして市が覚悟を持って続ける中、ふるさと納税は重要な財源となっています。
今後は健診や妊産婦健診への活用も検討されており、可能性は広がっています。

分娩施設がないまちで ― 産後ケア事業という選択

奥州市には現在、分娩施設がありません。出産は市外の医療機関で行う必要があります。

令和4年度に市内の分娩施設がなくなったことは、妊産婦やその家族にとって大きな不安材料でした。だからこそ市は、「産前産後の支援をより手厚くする」という方向に舵を切ります。

平成30年から始まった産後ケア事業は、令和5年に利用料を完全無料化。コロナ禍での休止を経て本格稼働しました。

完全無料で受けられる、3つのケア

対象は出産後5か月未満の母子(令和8年度からは1年まで拡大予定)。

① 宿泊ケア(1泊2日・最大3回)
市立病院の空き病棟を活用。助産師が常駐し、母乳ケアや育児相談を実施します。

② 日帰りケア(最大7回)
病院のほか、ホテルや温泉施設の部屋を活用。ランチやおやつの提供もあり、心身を休める時間を確保できます。

③ 訪問ケア(最大7回)
助産師が自宅へ訪問。授乳や育児の不安を直接相談できます。
いずれも完全無料。アロマオイルを使ったマッサージや助産師による子育てへのアドバイスも行われ、身体だけでなく心のケアにも力を入れています。

「一人じゃないと思えた」

利用者アンケートでは、回答率100%、全員が「また利用したい」と回答。

「来てみるまで、こんなに自分が疲れていると思わなかった」
「一人じゃないと思えた」
「助けてくれる人がいると分かった」

予約は常に埋まり、ホテルでの日帰りケアの待機期間は約3か月。必要とされている事業であることが数字にも表れています。
孤独を感じる母親をなくしたい――それがこの事業の根底にある想いです。

寄附金が支える子育て環境

産後ケア事業の年間規模は約1,800万円。国・県の補助もありますが、市が負担する数百万円規模の財源確保が不可欠です。
寄附金は、助産師の委託費や施設利用料などに活用されています。継続と拡充のために、ふるさと納税は重要な役割を担っています。

奥州市が掲げる「親子みらい応援事業」のスローガンは、

 「子育ては楽ではないけど楽しい」

ここなら子育てできる。
二人目、三人目も考えられる。
産みたい人が産める環境をつくる。

それが目指す未来です。

ふるさと納税が支える、奥州市の未来づくり

奥州市では、モバイルクリニックをはじめとした地域医療の確保に加え、子育て支援や教育環境の充実、産業振興、移動手段の確保など、安心して暮らし続けられるまちづくりに取り組んでいます。こうした挑戦を力強く支えているのが、ふるさと納税による寄附金です。
返礼品を楽しんでいただいたその先に、ぜひ一度、奥州市の大地や人のあたたかさを現地で感じてみてください。

あなたの寄附が、どのように地域医療を支え、誰かの暮らしを守っているのか——。その確かな手応えを、きっと目で見て、心で感じていただけるはずです。

奥州市を代表する返礼品

寄附を通じて、まちの魅力を体感できる返礼品も充実しています。

1.奥州市産ひとめぼれ

奥州市は、県内有数の作付け面積を誇る米どころで、日常使いしやすいお米は人気の返礼品です。
主に作られている品種は「ひとめぼれ」で冷めても美味しいのが特徴。お弁当やおにぎりにピッタリです。
国定公園「焼石連峰」のブナの原生林の雪解け水が流れる日本最大級の扇状地「胆沢平野」で育まれた「岩手ふるさと米」や農水省のガイドラインに従って減農薬・減化学肥料で作られた特別栽培米「江刺金札米」をはじめ、様々な生産者が丹精込めて作ったお米です。是非ご賞味ください。

2.南部鉄器

伝統と実用性を兼ね備えた工芸品「南部鉄器」は100年使えるといわれ、長く使うほど味わいが増すのが魅力です。
奥州市の「南部鉄器」の起源は、奥州藤原氏が平泉を中心に東北地方を治めていた平安時代末期まで遡るとされています。
当時から仏具や鍋、釜など様々な鋳物を作ってきた歴史から、定番の鉄瓶、急須以外にも鍋やフライパンなどの調理器具、風鈴や文鎮などの小物までバラエティに富んでいるのも特徴です。

3.前沢牛(まえさわぎゅう)

鮮やかな霜降り肉、とろけるような舌ざわり、風味の三拍子が揃っているブランド牛「前沢牛」は特別な日の食卓を彩る逸品です。
良質な飼料・水にこだわりから、牛にストレスを与えない環境づくりまで、生産者が日々。たくさんの愛情を注ぎ、丁寧に育てています。

和牛の品質を競う「全国肉用牛枝肉奨励会」で最高賞である「名誉賞(農林水産大臣賞)」を6回受賞するなど、全国レベルの品評会で数々の受賞歴があります。
特産品のお米の肥料には前沢牛の堆肥が、前沢牛の飼料には稲わらが使用されるなど循環型農業に取り組んでいることも、奥州市の豊かさを物語っています。

自治体情報

岩手県南部、北上川流域に広がる奥州市は、豊かな水と大地に育まれた自然と、人々の営みが調和する地域です。2006年に水沢市・江刺市・前沢町・胆沢町・衣川村の5市町村が合併して誕生し、広大な市域の中に、それぞれの歴史や文化を今に伝えています。

市内には北上川や胆沢川が流れ、肥沃な平野が広がることで、稲作を中心とした農業が盛んに営まれてきました。中でも全国的なブランドとして知られる「前沢牛」は、奥州市を代表する特産品であり、豊かな自然環境と生産者の丹精が生み出す誇り高い和牛です。

また、奥州市は南部鉄器の産地の一つとしても知られ、鉄瓶や調理器具など、実用性と美しさを兼ね備えた伝統工芸が暮らしの中に根づいています。歴史文化の面では、歴史公園えさし藤原の郷をはじめ、平泉文化と深く関わる史跡や施設が点在し、地域の歩みを今に伝えています。

交通面では東北新幹線「水沢江刺駅」を有し、首都圏や東北各地へのアクセスも良好です。自然、産業、歴史がバランスよく息づく奥州市は、穏やかな暮らしと多彩な魅力を併せ持つまちとして、その価値を育み続けています。

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