
投稿日:2025年9月9日
地域が誇る銘菓やブランド牛、旬の農産物や水産物、店舗や旅行で便利に使用できる電子ポイントなど、ふるさと納税には、バラエティに富んだ返礼品が揃っています。
ふるさと納税の楽しみは、返礼品を選び、受け取ることだけではありません。
縁(ゆかり)のある地方自治体や、お世話になった思い入れのある自治体などへの寄附金の使いみちを選ぶことで、自身の寄附金が町や村に与える影響を知ることも一つの醍醐味となるでしょう。
ふるさと納税バイブルでは、返礼品が目的の寄附だけではない選択肢を知ってもらうために、全国の自治体に寄附金の使いみちを伺い、その想いを発信していきます。
今回取り上げるのは、ふるさと納税を活用し、持続可能な地域活動の支援を行っている京都府与謝野町の取組です。
全国に誇る「丹後ちりめん」とものづくり文化のまち
与謝野町は京都府の北部に位置する、人口が約1万9,000人のコンパクトなまちです。自然の豊かさと受け継がれた伝統が共存する、ほどよく田舎らしい心地よさが魅力です。車があれば不自由なく暮らせる環境で、ゆったりとした日常を送ることができます。
町の一部からは、日本三景のひとつ「天橋立」を望むことができ、その絶景は訪れる人の心を穏やかにしてくれます。
また、お米を中心とした季節ごとの農産物など、どれも格別の美味しさを誇り、与謝野町は“食の魅力”にも満ちあふれています。
一方で、与謝野町は「丹後ちりめん」の産地として知られ、与謝野町を含む丹後地方は、全国の約6割以上を占める絹織物の生産地でもあります。着物文化息づくこの町では、ものづくりの技術と精神が今なお受け継がれており、伝統の美しさと職人技の繊細さを肌で感じることができます。与謝野町は「お米とちりめんのまち」として、地域の誇りと歴史が暮らしの中に自然に溶け込んでいるのです。
さらに与謝野町は、子育て支援に力を入れており、結婚や出産をきっかけに移住してくる人が年々増加しています。2024年には移住相談の件数が過去最多を記録し、地域に新たな風が吹き込まれています。伝統と暮らしのバランスが取れたこの町は、新たな人生の拠点としても多くの人に選ばれ始めています。
“想い”をふるさとへ―寄附でつながる地域の未来
現在、与謝野町では人口減少の影響により、自治会やまちづくり活動団体の担い手の負担増や、活動資金の不足が大きな課題となっています。こうした課題に対応するため、与謝野町では、ふるさと納税を活用した支援制度を導入し、地域活動の持続可能性を高める取り組みを行っています。この制度では、町内の自治会やまちづくり活動団体を寄附者自身が応援先として指定できる仕組みとなっており、寄附金は一度町の基金に積み立てられたのち、申請に応じて各団体へ配分されます。寄附者の“地域への想い”が、具体的な支援として地域に還元される仕組みです。
与謝野町では、町内24地区から応援する地区を選べる「ふるさと応援補助金」に加え、地域の活性化や地域課題の解決に取り組むまちづくり活動団体を対象とした新たな制度「ふるさとまちづくり活動応援補助金」を創設しました。
ふるさとを想う気持ちが、地域の力となる—。
そんな仕組みが、与謝野町では静かに、そして着実に広がりつつあります。
1.ふるさと応援補助金
与謝野町には、人口約2万人の規模ながら24の自治会が存在し、小学校区よりもさらに小さな単位で、各地域に根ざした活発なコミュニティ活動が行われています。地域の公民館を拠点に、講座の開催や夏祭りなど、それぞれの地域に合った行事が大切に受け継がれており、この活動にもふるさと納税の寄附金が活用されています。
「ふるさと応援補助金には、与謝野町出身者を中心に寄附が多く寄せられており、寄附者にとって“本当に思い入れのある支援の形”として、多様な事業に生かされています。また、珍しい取り組みなのか、他の自治体から“参考にしたい”と問い合わせをいただくこともあります」(与謝野町自治体関係者・以下同)
実際の取り組みの一例として、「ふるさと応援補助金」は以下のような取り組みに活用されています。
三河内区
2024年8月に開催された「区民ふれあい夏祭り」には、約800人が来場し、地域は大いににぎわいました。
当日は、子どもから高齢者まで楽しめるステージイベントやゲームが多数企画され、会場は終始、笑顔に包まれました。夜には打ち上げ花火が夜空を美しく彩り、多くの来場者が間近でその迫力と美しさを楽しみました。地域の皆さんが喜びと感動を分かち合う、心温まるひとときとなり、世代を超えた交流が生まれる場となりました。
温江区
公民館の駐車スペースの上部に生じた枯れ枝を伐採するため、電動剪定機と電動チェンソーを新たに整備しました。これらの機械は公民館周辺の枝払いに加え、区内の草刈りにも活用されており、日常的な環境整備を支える重要な道具として役立てられています。こうした整備により、区民の皆さんの安心・安全に暮らせる環境づくりが着実に進められています。
与謝区
2024年7月より、旧与謝小学校の職員室が、与謝区の避難所として活用されるようになりました。災害時に区の皆さんが安心して利用できるよう、電気配線の改修工事や照明のLED化が行われたほか、災害情報を収集するためのテレビも整備されました。地域の安全を支えるための備えが、着実に進められています。
また、この制度を通じて、地域の未来を担う人々の負担が軽減され、まちの活性化につながっています。
2.まちづくり活動団体への支援
与謝野町では、既存の24の自治会に加え、地域の活性化や地域課題の解決に取り組むまちづくり活動団体を支援するため、2024年に新たな制度「ふるさとまちづくり活動応援補助金」を創設しました。
この補助金制度では、たとえば子育て支援を行う団体や、与謝野駅100周年を記念して駅周辺の活性化を目指す団体など、地域と深く関わる活動が支援の対象となります。
「ふるさと応援補助金」と同様に、寄附者が応援したい団体を自ら選ぶことができる仕組みとなっており、寄附金は一度町の基金に積み立てられたのち、各団体からの申請に基づいて補助金として活用されます。この取組は、地域の魅力を守り育てる“新しい支援のかたち”として注目されており、2024年度は以下の4団体が登録され、それぞれの活動を進めています。
与謝野駅100周年委員会
与謝野駅周辺地域の活性化を目指し、移住促進や企業の誘致、交流スペースの整備、イベントの開催など、幅広い取組を実施している団体です。寄附金は「100年先も駅とともにある地域」を目標に、地域の暮らしや文化に根ざした持続可能な賑わいを育む事業や、移住・定住を促進するための事業に活用される予定です。
2025年7月には100年前の同月に開業した駅の100周年を祝う「与謝野駅100周年イベント 与謝野ガーデンフェス2025」が開催。飲食スペースとして鉄道車両を解放したり、数多くの飲食ブースが出店したりとさまざまな催しで大いに盛り上がった同イベントのフィナーレを飾る打ち上げ花火に制度が活用されました。
ままもりっこ
子育て世代の居場所づくりと防災啓発を目的として、防災に関する知識や学びの提供を通じて、未来の防災リーダーを育てる活動を実施している団体です。取組の一環として、寄附金は「小学生や未就学児・保護者向け防災教室の開催」や、「地域の特色を活かした防災のお話を伝えるエプロンシアターの作成」に活用される予定です。
一般社団法人 satoyamaにこちゃん
子どもから高齢者まで、幅広い世代が気軽に利用できる居場所づくりを目的に、だれでも利用できる居場所「satoyamaにこちゃん」の運営や、こども食堂などの活動を行っている団体です。寄附金は、未就園児やその保護者、高齢者などが安心して集える場を整える取組に活用される予定です。
NPO法人 自立支援たんぽぽ
生きづらさを抱える若者とその家族を支援するために、地域の皆さんへの相談対応や訪問支援、学びの場の提供、安心して過ごせる居場所づくりなど、多面的なサポートを行っている団体です。
支援活動の一つとして、椿油事業などを通じた就労支援にも取り組み、若者が地域で自立して暮らしていけるような仕組みづくりを進めています。
寄附金は、地域の椿の実を活用した就労支援事業や、働き先との連携を深める取り組みに活用される予定です。
こうした取り組みを通じて、住民が主体となってまちづくりを推進し、新たなチャレンジに挑戦する姿勢を後押しすることにもつながっています。
地域と寄附者を結ぶ、持続可能な応援のしくみ
与謝野町では、人口減少という地域の大きな課題に対し、自治会やまちづくり活動団体が持続的に活動できるよう支援の必要性が高まっています。具体的には、担い手不足や活動資金の確保といった現場の悩みに対応することが求められています。
また、伝統産業である丹後ちりめんをはじめとする“ものづくり”文化の認知度向上にも力を注いでおり、事業者への支援を通じた産業の活性化にも取り組んでいます。
こうした取り組みを広く知ってもらうために、与謝野町では公式ホームページやSNSのほか、Webコンテンツの充実を図るなど、さまざまな工夫を重ねています。
「多くの方々、特に与謝野町にゆかりのある方や、日本の伝統文化や着物、地場産業に関心をお持ちの方々に、ふるさと納税を通じて与謝野町とのつながりを感じていただけたら嬉しいですね」
また、ふるさと納税を契機に町への関心を深めていただけるよう、返礼品には観光パンフレットを同封するなどの細やかな工夫も行っています。あわせて、返礼品のバリエーションも大幅に拡充しており、現在は約700種類を超える商品を取りそろえています。寄附者の皆さんが選びやすく、町の特色に触れながら気軽に応援していただける制度となっています。
「ふるさと納税を通じて『与謝野町って素敵なところだな』と感じてくださる方が増え、移住や定住につながっていくことを願っております。こうした動きが、人口減少という大きな課題に対しても、前向きな一歩になることを期待しています」
こうした丁寧な取り組みの積み重ねが、地域の魅力をより多くの方へ伝え、与謝野町と人々との新たなつながりを育んでいます。
ふるさと納税の寄附金は、与謝野町の明るい未来を育むために、しっかりと役立てられています。
あなたもふるさと納税を通じて、与謝野町の地域活性化と未来づくりを一緒に応援してみませんか?
ふるさと納税返礼品
1.クスカのネクタイ
丹後ちりめんの技術が息づく「kuska fabric」のネクタイ。熟練職人が丹念に織り上げた、シルクの艶やかさと柔らかな風合いが魅力の逸品です。織りと色彩の美しさが、ビジネスシーンやフォーマルな場で、装う人の品格と個性をそっと引き立てます。
2.シルクの枕カバー
与謝野町が誇る丹後ちりめんの技術を生かした、上質なシルク枕カバー。国産シルクのしなやかな光沢が肌と髪にやさしく寄り添い、眠りの時間を、美しさと安らぎに満ちたひとときへと導きます。
自治体情報
与謝野町は、京都府丹後半島の付け根に位置する、自然と歴史に恵まれた風光明媚なまちです。2006年に加悦町・岩滝町・野田川町が合併して誕生し、現在は約1万9,000人が暮らしています。
町の地形は、大江山連峰を背に野田川流域の肥沃な平野が広がり、阿蘇海を経て日本三景のひとつ・天橋立へと続いています。気候は日本海側特有の「うらにし」と呼ばれる時雨が特徴で、四季折々の自然の美しさが楽しめます。
与謝野町は、古代から文化が栄えた地域で、弥生時代の遺跡や古墳が数多く残されています。平安時代にはすでに絹織物の産地として知られ、特に中世以降は「丹後ちりめん」の産地として大きく発展しました。
現在も丹後ちりめんを中心とした織物産業や農業が町の基幹を成しており、近年ではホップ栽培やクラフトビールづくりなど、地域資源を生かした新たな取り組みも広がりを見せています。
与謝野町のふるさと納税
京都府与謝野町の基礎情報や返礼品をまとめてご覧いただくことができます。
