
投稿日:2024年12月12日
地域が誇る銘菓やブランド牛、旬の農産物や水産物、店舗や旅行で便利に使用できる優待券など、ふるさと納税には、バラエティに富んだ返礼品が揃っています。
ふるさと納税の楽しみは、返礼品を選び、受け取ることだけではありません。
縁(ゆかり)のある地域や、お世話になった思い入れのあるまちなどへの寄附金の使いみちを選ぶことで、自身の寄附金が自治体に与える影響を知ることも一つの醍醐味となるでしょう。
ふるさと納税バイブルでは、返礼品を目的とする寄附ではない選択肢を知ってもらうために、全国の自治体に寄附金の使いみちを伺い、その想いを発信していきます。
今回取り上げるのは、「障がい者千五百人雇用」を掲げ、徹底した弱者政策に力を入れる岡山県総社市の取り組みです。
“弱者支援のために行政がある”という市長の想い
岡山県総社市では、「障がい者千五百人雇用」を掲げ、障がい者の働く場と自立した生活の支援を積極的に行っています。
全国的に見ると、市町村が障がい者雇用支援に本格的に取り組んでいる例はまだ少ないのが現状です。多くの市町村では、支援の対象が小中学校に設置された特別支援学級の子どもたちに限られており、高等学校は「県」、就労に関する支援は「国」の管轄とされています。
そのような中で、総社市は2011年に全国に先駆けて市町村として障がい者雇用に取り組み始めました。その背景には、現職5期目を務める片岡聡一市長の「行政は弱者支援のためにある」という理念があります。片岡市長は、かつて橋本龍太郎内閣総理大臣の公設第一秘書を務めており、当時から福祉政策の重要性を強く意識していました。

提供:総社市
提供:総社市
「市長は、『生物学的に、全人口の3~4%に何らかの障がいがあるといわれている。この方々は、残りの96%に代わって障がいを背負って生まれてきてくれた存在であり、だからこそ、残りの96%の人々が、その方々のために全力を尽くすべきだ』と考えています。
国や県の広域支援に加え、実際に障がい者が生活している総社市が、一人ひとりに寄り添った雇用支援の仕組みを作る必要があります。そのような問題意識から、『障がい者千人雇用』を立ち上げました」(総社市自治体担当者・以下同)
1,000人の雇用を達成。「障がい者千五百人雇用」へ
障がい者千人雇用の対象は、身体、知的、精神に障がいのある方々です。
「事業開始当時、総社市には約3,200人の障がい者手帳所持者がいました。その中で、就労年齢にあたる18歳~60歳は約1,200人で、実際に働いているのはわずか180人に過ぎませんでした。そこで、まだ就労していない約1,000人が働ける社会をつくろうと掲げたのが『障がい者千人雇用』です」
同年7月には、ハローワークに障がい者や外国人、生活困窮の就職相談を受ける「就労支援ルーム」を設置し、自治体としては唯一で、総社モデルの取り組みとなりました。そして12月には、事業推進のための条例が制定されました。
「2012年には、障がい者と企業の橋渡しを行う『千人雇用センター』を設立し、雇用先の開拓や障がい者からの相談対応など、両者のマッチングを進めました」
こうした取り組みの成果により、2017年には1,000人の雇用を達成し、目標を「障がい者千五百人雇用」に引き上げ、事業を再スタートしました。

提供:総社市
「2024年6月時点で、就労者数は1,351人に達しました。約7割が一般就労であり、市内の事業所では約560人が働いています。法定雇用とは関係のない中小企業や町工場などでたくさんの障がい者が活躍しています。
この、就労支援が進んだことで、生活のサポートも充実していきました。空きアパートや空き家の活用を中心としたグループホームが多く開設していき、障がいのある方が一人暮らしをしながら、食事などの生活支援を同じアパートに住む世話人がサポートする自立支援が促進されています。」
ふるさと納税の寄附金は、「障がい者千五百人雇用センター」の運営や自立支援給付などに活用されています。

提供:総社市
取り組み開始後、移住者も増加
特別支援学校を卒業後、一般就労をされた方の中には、一般社員と同じ給料を受け取りながら働いている方もいます。
「ご家族からは、『(本人が)こんなに働けると思わなかった』という驚きの声をよく耳にします。中には『この子は学校を卒業しても行くところがない』と悩んでおられるご家族も多く、そうしたお話を聞くたびに、第三者として支援する重要性を痛感しています。総社市が雇用機会を提供することで、ご本人だけでなく、ご家族の支援や親亡き後を考えるきっかけづくりをすることも大切だと考えています」

提供:総社市
総社市では、雇用数が700人を超えたあたりから、市への移住者が増え始めました。障がいがある方やその家族、生きづらさを抱えている方たちが「総社に行けば何とかなる」と感じるようになり、市民も新たな住民を温かく迎え入れる雰囲気が醸成されており、良い効果を生んでいます。
「一方で、精神障がいがある方々については、生活が安定せず、就職しても早期に離職してしまうケースが少なくないという課題もあります。精神障がいに早期対応できる医療体制の整備など、社会全体の仕組みとして対応していく必要があると考えています」
「障がい者千五百人雇用」を通じて、「あなたにとって一番やさしいまち」を実現している総社市。この取り組みを応援したいという方は、ぜひ総社市への寄附にご協力をお願いいたします。

提供:総社市
自治体情報
岡山県南西部に位置する総社市。2005年に総社市・山手村・清音村の1市2村の新設合併によって誕生しました。自動車部品などの製造業が盛んで、農産物の生産に適した緑豊かな環境にも恵まれています。
主な特産品は、お米をはじめ、白桃やシャインマスカットなどの農産物。中でも、「桃の女王」と称される「清水白桃」は、白色の果皮に甘い香りをまとい、果汁溢れるとろけるような舌触りが特徴です。ふるさと納税の返礼品としても選ぶことができます。
総社市のふるさと納税
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