
投稿日:2024年10月3日
地域が誇る銘菓やブランド牛、旬の農産物や水産物、店舗や旅行で便利に使用できる優待券など、ふるさと納税には、バラエティに富んだ返礼品が揃っています。
ふるさと納税の楽しみは、返礼品を選び、受け取ることだけではありません。
縁(ゆかり)のある地方自治体や、お世話になった思い入れのある自治体などへの寄附金の使いみちを選ぶことで、自身の寄附金が町や村に与える影響を知ることも一つの醍醐味となるでしょう。
ふるさと納税バイブルでは、返礼品が目的の寄附だけではない選択肢を知ってもらうために、全国の自治体に寄附金の使いみちを伺い、その想いを発信していきます。
今回取り上げるのは、クラウドファンディングで寄附金を募り、「子どもたちへの食育支援」プロジェクトを推進する高知県越知町です。
「子どもたちへの食育支援」プロジェクトを立ち上げた背景
越知町は、仁淀川や横倉山など豊かな自然に恵まれ、長年にわたり一次産業が盛んに行われてきました。しかし、1958年の町発足時に13,505人だった人口は、高齢化や過疎化により2024年4月末には4,884人と4割以下に減少。一次産業は、生産人口の減少や売り先・買い手の不足などの課題に直面しています。
そこで、越知町が立ち上げたのが「子どもたちへの食育支援」プロジェクトです。2023年にクラウドファンディングで寄附金を募り、2024年から本格的に取り組みを開始しました。
このプロジェクトは、越知町の農作物や水産物に触れる体験を通じて、子どもたちに「食」への興味や関心を育むことを目指しています。また、地域の生産者が安定して生産を続けられる環境づくりにも貢献したいという想いが込められています。
具体的な取り組みとしては、町内での料理教室やアメゴ(川魚)のつかみ取り体験、児童養護施設や大学生への支援など、4つの事業を行っています。以下で、それぞれの事業内容について詳しくご紹介します。
越知町の食材を使った料理教室を開催
1つめの取り組みとして、越知町産の食材を使い、子どもたちに向けた料理教室を開催しています。

「自分で食材を調理することは、人生において欠かせない重要な経験です。子どもの頃からその機会を積むことはとても大切です。
この料理教室では、季節の料理や郷土食の作り方を中心に教えています。単に説明を聞くだけでなく、自ら料理を作る体験を通じて、子どもたちには食を自分ごととして考えるきっかけにしてほしいと考えています。」
また、保護者や料理教室の運営スタッフからは、「地元の美味しいものを地元で消費できる機会になるのでありがたい」といった声も寄せられています。この取り組みは、地元の生産者支援や地産地消の観点からも、非常に意義のあるものとして支持されています。
アメゴのつかみ取りイベント
2つ目の取り組みは、子どもたちが魚と触れ合う機会を提供する「アメゴのつかみ取りイベント」です。
このイベントは越知町の宮の前公園で開催され、親子連れを中心に約100人が参加しました。公園内に設置されたプールには約400匹のアメゴが放流され、子どもたちはびしょぬれになりながらも懸命に魚を追いかけ、自分の手で掴まえる体験を楽しみました。
ー掴まえたアメゴは氷に入れて持ち帰ることができる。会場ではあらかじめさばいたアメゴの塩焼きも振る舞われたー
「このイベントは夏休み期間中に開催したため、越知町在住の方だけでなく、高知市や東京などから里帰りした方々も多く参加し、『夏休みの最後に素敵な思い出が作れた』と大変喜ばれていました。
また、”食べる”という行為が他の生き物の命をいただくことで成り立っているという、普段忘れがちな食の本質を、こうした体験を通じて感じてもらえればと考えています。」
児童養護施設「さくら園」への食育支援
3つ目の取り組みとして、仁淀川流域で唯一の児童養護施設「さくら園」への食料品(肉・野菜・米・パンなど)の支援や、体験型学習を通じた食育支援に、クラウドファンディングの寄附金が活用されています。
「2024年7月には、体験型学習の一環としてトウモロコシの収穫体験を実施しました。施設の子どもたちの中には、スーパーに並ぶ食材や加工された食材しか見たことがなく、実際にトウモロコシが畑で育っている様子を見たのは初めてという子どももいました。
自分の手で収穫することで、食材に対する知識や経験を深める貴重な機会になったのではないかと思います。」
大学生に向けた特産品の無償配布
4つ目の取り組みは、大学生を対象とした地域特産品の無償配布です。
越知町出身の大学生への支援
越知町出身の大学生に対し、年に9回、越知町の米や野菜などの希望する特産品を送る支援を行っています。
「この取り組みは、コロナ禍でアルバイトができず、経済的に困窮している学生を支援することを目的に始まりました。当初はコロナ交付金を活用していたため、2022年度で一旦支援を終了しましたが、大学生やその親御さんから『続けてほしい』という声を多くいただき、2024年度からは寄附金を活用して再開することになりました。」
高知県内の大学に通う県外出身学生への支援
さらに、2024年から新たに、県外から高知に来ている大学生に対しても、食料品の支援を開始しました。
「ふるさと納税の寄附金を財源に、米や野菜などを地域の農家さんから買い上げ、高知県内の大学生に無償で配布する取り組みを行っています。配布する野菜は、キズがあるなどの理由で市場に出せないものや廃棄予定のものを町がすべて買い上げて提供しています。これにより、生産者の安定した収入にもつなげていきたいと考えています。」
県外から来ている大学生への支援が始まったのは、2022年12月に越知町が豪雪被害を受けた際の経験がきっかけでした。
「高知では観測史上初となる60~70cmの積雪があり、ビニールハウスなどにも大きな被害が出ました。災害支援のためクラウドファンディングを募ったところ、県外から多くの寄附が集まりました。その中には、高知の大学に通っていた方や、過去に高知で働いていた方もおり、『高知でとても親切にしていただいたので恩返しとして支援しました』という温かいメッセージも多く寄せられました。
そのような経験から、今度は自分たちが恩返しとして、県外から来ている大学生に何かできることはないかという想いで、この支援を始めました。」
越知町は今後も、これら4つの事業を継続するとともに、子ども食堂の支援など新たな食育支援の取り組みも拡充していく方針です。この取り組みを応援したい方は、ぜひ越知町への寄附にご協力をお願いします。
自治体情報
高知県中央部に位置する越知町。日本一の清流にも選ばれた仁淀川や「植物分類学の父」といわれる牧野富太郎がフィールドワークを行った横倉山を有する、自然豊かな町です。仁淀川でのカヌー・ラフティングや横倉山のトレッキングなど、自然を満喫できるアクティビティも充実しており、無料で楽しめるキャンプ場も点在しています。
しょうがやピーマンなどの露地野菜のほか、新高梨やブンタンなどのフルーツが特産品として知られています。ふるさと納税の返礼品では、越知町で収穫された新鮮な野菜を詰め合わせた野菜セットや、老舗・横山食品のロングセラー商品『芋けんぴ』などが人気です。
越知町のふるさと納税
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