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寄付金の使いみち

コミュニティバスの利用者が80倍に。効果的な取り組みが注目される島原市

地域が誇る銘菓やブランド牛、旬の農産物や水産物、店舗や旅行で便利に使用できる優待券など、ふるさと納税には、バラエティに富んだ返礼品が揃っています。

ふるさと納税の楽しみは、返礼品を選び、受け取ることだけではありません。

縁(ゆかり)のある地方自治体や、お世話になった思い入れのある自治体などへの寄附金の使いみちを選ぶことで、自身の寄附金が町や村に与える影響を知ることも一つの醍醐味となるでしょう。

ふるさと納税バイブルでは、返礼品が目的の寄附だけではない選択肢を知ってもらうために、全国の自治体に寄附金の使いみちを伺い、その想いを発信していきます。

今回取り上げるのは、コミュニティバスの運営やロケツーリズムなどで高い効果を上げている長崎県島原市の取り組みです。

コミュニティバス「たしろ号」を運営

島原市では、「魅力あるふるさとづくりの推進」の一環として、コミュニティバス事業にふるさと納税の寄附金を活用しています。

同市で鉄道やバスを運行する島原鉄道は、人口減少に伴う利用者の減少や車両の老朽化などが進行した結果、2021年10月にバス路線の大幅な廃止を決定。これにより、車の運転が難しい高齢者をはじめとする市民の移動手段の確保が大きな課題となっていました。

コミュニティバス事業の始まりは、それに先立つ2020年のことです。市は4台のバスを購入し、決まった時間に決まったルートを運行する定時・定路線方式で、コミュニティバス『たしろ号』※の運行を始めました。」(島原市自治体担当者・以下同)

※島原市にバス4台分の寄附をした島原市出身の弁護士の方の名前から名付けられた

2020年にさらに3台を増台し、合計7台で本格運行。しかし、当初は路線バスとの競合を避けるために、中心市街地を外したルートを運行していたため、市民のニーズと合わず、利用者が増えないという課題がありました。

その後、島原鉄道がバス路線の大幅な廃止を決定したタイミングで、廃線となった停留所に加え、ドラッグストアやコンビニなどを中心に市内各所に約250か所の停留所を新設し、タクシー事業者に運行を委託する形で、利用者の希望に応じて自由な時間に運行できる方式に変更しました。

利用者には電話やネットで、日時と乗降する停留所を指定してバスを予約していただきます。1名から利用でき、最大9名まで乗車できます。市民だけでなく観光客を含む市外の方も利用できる仕組みになっています。」

定時・定路の方式で運行していた時は、利用者が最も少ない時で月に60名ほどでした。しかし、自由経路の方式に変更したところ、利用者はおよそ80倍に増加し、現在では月に約4,800名が利用しています。この新しい方式は、路線バスよりも利便性が高く、1回の利用料が200円とタクシーよりも経済的であることから、「安い価格で目的地まで行けてとても便利」と、多くの利用者から好評を得ています。

また、環境への配慮から、CO2排出を削減できる電気自動車(EV)への切り替えも検討中です。今年度は国の補助金なども活用し、試験的に1台導入する予定です。ふるさと納税の寄附金は、運行にかかる費用に充てていますが、今後はこうした車両の更新や新規導入にも活用できればと考えています。

ロケツーリズムで島原市の魅力を全国にアピール

島原市では、ロケツーリズムの取り組みにもふるさと納税の寄附金が活用されています。

ロケツーリズムとは、映画やテレビ番組、CMなどの映像メディアを通じて、島原の魅力を全世界に向けて発信することを目的とした取り組みです。この取り組みにより、移住・定住の促進や観光誘客など、関係人口の創出を目指しています。


ー島原市でのロケの風景ー

島原市では、ロケツーリズムの取り組みが年々成果を上げています。2020年度に統計を取り始めて以来、ロケの件数は増加を続け、2021年度は20件だったが2023年度には過去最高の41件と倍増しました。この実績を独自に広告換算効果で算出したところ、約12億円に相当する効果が得られたとの結果が出ています。

ロケの中でも特に問い合わせが増えているのが、テレビの旅番組やCMなどです。こうした映像作品の中に島原市の風景が登場することで、広告として直接的にPRするよりも自然に興味を持ってもらいやすく、より効果的に島原市の魅力を伝えることができていると感じています。

島原市では、ロケツーリズム協議会が主催する会合に積極的に参加し、ロケ地を探す制作者と、ロケを誘致したい自治体とのマッチングを行っています。

ふるさと納税の寄附金は、こうした会合への参加費用や、ロケ実績を活用したシティプロモーションパンフレットの製作費などに充てられています。

ロケーションガイドは、単なる実績紹介にとどまらず、観光情報や島原市での暮らしの情報も掲載し、移住・定住を希望する方にも見ていただける内容になっています。島原市を知ってもらうきっかけとして、情報発信に特に力を入れています。

さらに、映像制作者を島原市に招き、ロケハンツアーも行っています。このツアーを通じてロケ地の可能性を確かめてもらい、作品の誘致につなげるとともに、ツアー中に指摘された改善点を次のロケ誘致に活かしています。これらの取り組みの費用にも、寄附金が活用されています。

こうしたロケツーリズムの成果は観光客の数にも反映されています。特に、2021年夏に放送されたキリンレモンのCM(上白石萌歌さんが出演)の舞台となった大三東駅は、「日本一海に近い駅」として大きな話題を呼び、多くの観光客が訪れるようになりました。


ー大三東駅ー

CMでは『大三東駅』という駅名もしっかりと映っており、今でも『この映像を見て来ました』という方が数多くいらっしゃいます。その後も、ほかのCMや写真集の撮影地としても使われており、さまざまなファン層に島原市のことを知ってもらえる良い機会になったと感じています。

「出雲駅伝」の登竜門、平成新山島原学生駅伝にも寄附金を活用

ほかにも、毎年12月に開催される「平成新山島原学生駅伝」にもふるさと納税の寄附金が活用されています。

平成新山島原学生駅伝は、九州学生陸上競技連盟と島原市が主催する大学駅伝大会で、1998年に始まりました。この大会は、雲仙普賢岳の噴火災害からの復興を目的に島原市が誘致したもので、九州各県の大学生選手が集まり、競い合う場となっています。また、この駅伝は、学生三大駅伝のひとつである「出雲駅伝」の出場資格を獲得する登竜門(※)ともいえる大会です。

※男子の優勝チームは次年度の出雲駅伝の出場権を得られる

九州の優秀なアスリートたちが『走りたい』と思うような目標となる大会を目指しています。この大会を冬の一大スポーツイベントとして定着させ、『人と火山の共生』をテーマとする島原半島世界ジオパークをはじめとした島原の魅力を県内外にアピールしたいと考えています。

ランナーは、雲仙普賢岳や有明海、2024年に築城400年を迎えた島原城など、島原の名所を辿る美しいコースを駆け抜け、沿道からは多くの市民が声援を送ります。大会の見どころは、男子の第4区、雲仙普賢岳を望む平成新山展望園地までの区間です。この区間は、学生三大駅伝の「箱根駅伝」にも引けを取らない急な傾斜があり、ランナーたちはその過酷なコースを駆け上がりながら襷をつないでいきます。

ふるさと納税の寄附金は、大会の運営費やPR活動に活用されており、地域のスポーツ文化の発展にも寄与しています。

コミュニティバスやロケツーリズム、駅伝大会といった独自の取り組みを通じて、地域課題の解決や関係人口の創出に積極的に取り組んでいる島原市。これらの活動をさらに応援したいという方は、ぜひ島原市への寄附にご協力をお願いいたします。

自治体情報

長崎県南東部、有明海に面した島原半島の東端に位置する島原市。島原城や武家屋敷などかつての城下町の街並みが今なお色濃く残っているほか、名水百選に選定された湧水や温泉など、豊富な地域資源に恵まれています。

海と山が近いことから、海の幸と山の幸の両方を楽しめるのも大きな魅力です。地域の特産品で、ふるさと納税の返礼品としても人気なのが雲仙ハム。雲仙の麓で育った豚肉を使用したソーセージは肉の旨味が存分に感じられる逸品です。白玉粉で作った小さな団子を島原の湧水で冷やし、砂糖やハチミツなどの甘い蜜をかけて食べる「かんざらし」もおすすめ。島原市一帯で古くから食べられている、夏にぴったりな伝統的なスイーツです。

島原市のふるさと納税

長崎県島原市の基礎情報や返礼品をまとめてご覧いただくことができます。

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