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寄付金の使いみち

真言宗の聖地・高野山を中心とする高野町。インバウンドに応える施策を強化

地域が誇る銘菓やブランド牛、旬の農産物や水産物、店舗や旅行で便利に使用できる優待券など、ふるさと納税には、バラエティに富んだ返礼品が揃っています。

ふるさと納税の楽しみは、返礼品を選び、受け取ることだけではありません。

縁(ゆかり)のある地方自治体や、お世話になった思い入れのある自治体などへの寄附金の使いみちを選ぶことで、自身の寄附金が町や村に与える影響を知ることも一つの醍醐味となるでしょう。

ふるさと納税バイブルでは、返礼品が目的の寄附だけではない選択肢を知ってもらうために、全国の自治体に寄附金の使いみちを伺い、その想いを発信していきます。

今回取り上げるのは、世界遺産・高野山を訪れる観光客の増加に伴い、英語教育や交通環境の整備などに力を入れる和歌山県高野町です。

インバウンド増加を見据え、英語教育を推進

高野町では、小中学生を対象とした英語教育推進プロジェクトにふるさと納税の寄附金を充当しています。

このプロジェクトは、「すべての子どもたちが自分のことやふるさとのことを英語で話せるようになること」を目標に、2021年度から始めた取り組みです。9年間の義務教育を通して「聞く」「話す」「読む」「書く」の4つの技能をバランスよく育成するため、イギリスの公的な国際文化交流機関であるブリティッシュ・カウンシルと協働し、カリキュラムの作成や効果的な指導法の導入、自律的に授業改善を行う教員チームの育成を推進しています。

ふるさと納税の寄附金は、このプロジェクトの教材やタブレット、ネイティブの外国語講師への雇用費用などに充当されています。

高野町が英語教育に力を入れている背景には、外国人観光客の存在があります。世界遺産である高野山を擁する高野町は、日本国内のみならず世界中から多くの観光客が訪れる人気の観光地です。コロナ禍によって一時的に観光客は減少しましたが、現在はコロナ前の水準に回復しつつあります。

こうしたインバウンドの観光客と町民が直接英語でコミュニケーションを取り、交流を深めることができれば、観光業のさらなる発展や地域活性化が期待されます」(高野町自治体担当者・以下同)

このプロジェクトは開始から4年目を迎え、教員の英語教育に対する意識の変化や、子どもたちの学習意欲の向上など、すでにその成果が現れ始めています。ケンブリッジ国際児童英検(YLE)の受験結果によると、特にスピーキング力の向上が顕著に見られました。

授業では、実際にまちに出て、外国人観光客への街頭インタビューも行っています。子どもたちは出身国や観光の予定、高野町の魅力などについて英語で質問し、実践を通じて話す力を養っていると感じています


ー街頭インタビューの様子ー


ー授業風景ー

高野山までのアクセスを便利にする高速バスを運行

高野町では、高野山までのアクセス向上を目的としたアクセスバス事業を展開しています。

この事業は2021年に開始され、京都~高野山を結ぶ高速バスが運行されています。その運行委託費には、ふるさと納税の寄附金が活用されています

この、京都~高野山を結ぶ「京都高野山線」は、新緑の春から紅葉の秋にかけての観光シーズンに運行されており、高野山までの所要時間は約2時間30分。鉄道移動に比べて乗り換えが不要なため、より便利なアクセス手段を提供しています」

高野山は、2004年に世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に登録されました。空海(弘法大師)によって真言密教の道場として開かれ、1200年以上の歴史と文化、そして自然が調和した聖地として知られています。山内に点在する50以上の寺院では、宿坊が外国人観光客から高い人気を誇っています。

宿坊では、朝のお勤めや精進料理など、日本の伝統文化を感じながら、非日常のひとときを過ごすことができます。宿泊者からの高い評価により、口コミを通じて訪れる観光客の数も増加しています

高野山の恒例行事・三大祭り

高野山で開催される三大祭りも、ふるさと納税の寄附金で支えられています。三大祭りとは、3月の「高野の火祭り」、6月の「青葉まつり」、8月の「ろうそくまつり」の3つです。

・高野の火まつり

高野の火まつりは春の訪れを告げる高野山の恒例行事で、山開きの象徴とされています。金剛峯寺の広場には、高さ約1.7メートル、直径約3メートルの護摩壇が杉やひのきで組まれ、儀式では、山伏姿の僧侶がホラ貝を吹き鳴らし、弓矢を四方に放つことで厄除けを行い、その後、護摩壇に火が灯されます。訪れた人々は、願い事を書いた護摩木を投げ入れ、1年の無病息災を祈願します。

・青葉まつり

青葉まつりは、6月15日の空海の誕生日を祝う高野山最大のイベントであり、青葉の季節に行われることから、戦後にこの名が付けられました。祭りの目玉は「花御堂渡御」。高野山小鼓笛隊先導のもと、奥の院の入り口前を出発し、稚児大師像を載せた小さな山車「花御堂」や、祭りの主役である稚児大師役の男児と4人の青葉娘が乗る山車などの列が続き、金剛峯寺前までの大通りを約1kmにわたって練り歩きます。

・ろうそく祭り

毎年、8月13日に開催される高野山ろうそく祭り(萬燈供養会)は、一の橋から奥之院御廟橋までの約2kmの参道に約10万本のろうそくを灯し、奥之院に眠る御霊(みたま)や先祖の御霊を供養するお祭りです。漆黒の闇の中にろうそくの灯りが並ぶ幻想的な光景は、高野山の夏の風物詩となっています。

ふるさと納税の寄附金は、これらの祭りの警備費やろうそくの購入費などに充てられています。

 

教育、交通、そして祭りなど、さまざまな取り組みを通じて地域経済の活性化を目指す高野町。応援したいという方は、ぜひ高野町への寄附にご協力をお願いいたします。

自治体情報

和歌山県の北東部に位置する高野町。空海によって開かれた真言宗の聖地である高野山を中心とする町で、貴重な文化財や建造物が数多く残っています。2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録され、世界中から多くの観光客が訪れます。

自然豊かな高野山で育った高野松茸は地域の名産品。密度が高く重みがあり、特に香りが強いと評判です。昔から京都の老舗料亭などを中心に出荷されている希少な食材ですが、高野町のふるさと納税の返礼品として選ぶことができます。ほかにも返礼品としては、高野町の旅行クーポンも人気です。

高野町のふるさと納税

和歌山県高野町の基礎情報や返礼品をまとめてご覧いただくことができます。

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