1. ふるさと納税はじめるバイブル
  2. 特集
  3. 寄付金の使いみち
  4. 400年前、海だった場所が「ジーンズ発祥の地」になった理由——岡山県倉敷市の歴史

寄付金の使いみち

400年前、海だった場所が「ジーンズ発祥の地」になった理由——岡山県倉敷市の歴史

地域が誇る銘菓やブランド牛、旬の農産物や水産物、店舗や旅行で便利に使用できる電子ポイントなど、ふるさと納税には、バラエティに富んだ返礼品が揃っています。

ふるさと納税の楽しみは、返礼品を選び、受け取ることだけではありません。

縁(ゆかり)のある地方自治体や、お世話になった思い入れのある自治体などへの寄附金の使い道を選ぶことで、自身の寄附金が町や村に与える影響を知ることも一つの醍醐味となるでしょう。

ふるさと納税バイブルでは、返礼品が目的の寄附だけではない選択肢を知ってもらうために、全国の自治体に寄附金の使い道を伺い、その想いを発信していきます。

今回ご紹介するのは、白壁の美観地区と国産ジーンズ発祥の地という、歴史とものづくりが共存する岡山県倉敷市です。

海・山・歴史・産業が凝縮された、倉敷市の魅力

岡山県南部に位置する倉敷市は、人口約47万人を抱える、古くから交通の要所として発展してきたまちです。広島市や神戸市など大都市圏へのアクセスもよく、道路・鉄道併用橋として世界最長を誇る瀬戸大橋が架かるまちでもあります。

倉敷市の自然の魅力は、海・川・田園・里山が暮らしのすぐそばにあることです。児島や玉島地区では瀬戸内海の穏やかな海や島々を眺めることができ、酒津公園では水辺のある落ち着いた風景を、少し内陸に行けば田園風景や里山の緑を感じることができます。

倉敷市は天領として幕府の直轄支配を受け、商業都市として発展してきた歴史を持ちます。

倉敷川を利用した水運によって米・綿・藍などの集散地として栄えた街並みが、現在の倉敷美観地区の基礎となりました。白壁の街並みが美しい倉敷美観地区は、年間300万人が訪れる倉敷市を代表する観光地です。

この歴史は「日本遺産」という形でも認定されています。日本遺産とは、地域に伝わる歴史的なストーリーを文化庁が認定する制度です。

現在全国で104のストーリーが認定されていますが、倉敷市はそのうち「一輪の綿花から始まる倉敷物語」「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~」「『桃太郎伝説』の生まれたまち おかやま」という3つのストーリーの認定を受けています。

一つの自治体が3つのストーリーを持つのは全国でも数件しかなく、まさしく倉敷市は「日本遺産のまち」であります。このうち綿花のストーリーは干拓の歴史と深く結びついています。約400年前まで岡山県南部の多くは海でしたが、干拓によって陸地に変わりました。

干拓地の土壌は塩分を多く含むため米作りには向かず、塩分に強い綿やイグサが栽培されるようになり、これが倉敷市の繊維産業発展の原点となっています。

倉敷市は観光都市でありながら、ものづくりの町としての側面も持っています。繊維・化学・造船・鉄鋼など多様な産業が集まり、学生服や綿製パンツの生産量は全国有数のシェアを誇ります。

昭和40年には初の本格的な国産ジーンズの製造が倉敷市で始まり、現在も国産ジーンズ発祥の地として知られています。水島地区にはコンビナートもあり、令和5年の製造品出荷額は約5.8兆円で全国トップクラスを誇ります。

工業だけでなく、農業や漁業も盛んです。瀬戸内の温暖な気候を生かした桃やマスカット、スイートピーなどが全国の方々に親しまれています。漁業では瀬戸内の穏やかな海を生かした沿岸漁業が中心で、潮流の影響で身が締まったタコやタイ、イカナゴなど瀬戸内らしい魚介類が水揚げされています。

子育て支援にも力を入れています。出生率は令和6年の1.39で、全国平均の1.15を大きく上回っています。妊婦・子育て相談ステーション「すくすく」を開設し、妊娠期から子育て期までの切れ目のない支援に取り組んでいるほか、保育園の新設・増改築や保育士の交流研修会の開催など、保育・教育環境の充実にも努めています。

寄附金の使い道の事業について

 1.日本遺産フェスティバル 〜5万人が押し寄せた、岡山県内初開催の取り組み〜

倉敷市が認定を受けている3つの日本遺産ストーリーを核に、観光・文化財・商工・交通など複数の団体が連携した「日本遺産推進協議会」がさまざまな事業を展開しています。

情報発信、普及啓発、人材育成、ハード面の環境整備など多岐にわたる活動の中で、令和7年最大の事業が「日本遺産フェスティバル」の開催です。

このフェスティバルは、全国104の日本遺産ストーリー認定地域で開催する、年に一度の日本遺産関連での最大のイベントです。

令和7年10月25日・26日、このフェスティバルが岡山県内で初めて、倉敷アイビースクエアを主会場に倉敷市で開催されました。

日本遺産制度創設10周年という節目の年とも重なったこの開催では、2日間で延べ約5万人が会場に訪れました。これは過去の開催と比較しても最多の来場者数で、それまでは1万〜2万人規模、最大でも4万1,000人だった来場者数を大きく上回る結果となりました。

フェスティバルでは、全国104の日本遺産ストーリー認定地域によるパネル展示やワークショップ、特産品の販売を行うPR展示・体験ブースのほか、クイズプレーヤーの伊沢拓司氏を招いたオープニングセレモニー、専門家によるミニシンポジウム、グルメブースなど多彩な催しが行われました。

会場はJR倉敷駅から徒歩約15~20分というアクセスの良さもあり、共催した文化庁からも「過去最高の盛り上がり」という評価を受けたといいます。

このフェスティバルの開催を始め、日本遺産推進事業の運営費の一部には、ふるさと納税の寄附金が活用されています。この事業の目的は二つあります。

一つは、市民が自分たちの街の歴史を知り、愛着を深めること。もう一つは、観光資源として活用し、産業や観光の振興につなげることです。

「倉敷市はジーンズが有名なのは知っていても、その背景にある歴史までは知らなかった」

という声があるように、ストーリーを知ることで観光への興味や関心がより深まっていくという狙いがあります。

なお、2026年の日本遺産フェスティバルは宮崎県西都市・宮崎市・新富町・高鍋町を舞台に開催される予定です。


2.児童館を中心とした子育て支援事業——個人の寄附から始まった、二つの取り組み

倉敷市は「子育てするなら倉敷で」と言われるまちを目指し、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を進めています。市内には18歳未満のすべてのこどもを対象とする児童館が合計6館あり、その特徴的な取り組みのうち二つの事業は、実は個人からの寄附がきっかけで始まったものです。

一つ目が「おでかけ児童館」です。楽しい遊びを積み込んだ軽自動車のバンで、地域のイベントや放課後児童クラブ、公民館でのボランティア活動などに出向き、工作や遊びを提供する取り組みで、市内6館合計で年間約350回ほど実施されています。

平成30年から続くこの取り組みの目的は、近くに児童館がないこどもにも遊びを届けるアウトリーチとしての意味合いと、児童館の存在を広く知ってもらうことです。コロナ禍で落ち込んだ利用者数も今では回復し、毎年前年度の利用者数を上回って推移しています。


二つ目が令和7年度に始まった「こどもまんなか ひだまりマルシェ」です。

使わなくなったおもちゃや衣類、日用品を持ち寄り譲渡し合う場と、こどもたちが遊具や昔遊びのおもちゃを楽しめる体験の場を組み合わせた取り組みです。

SDGsへの関心や物を大切にする心を育むとともに、保護者同士の交流の場としても活用されています。

くらしき健康福祉プラザでの開催を皮切りに、イオンモール倉敷様の協力による開催や各児童館での開催など、さまざまな規模・場所で実施されており、「次の開催はいつですか?」と楽しみにする親子も増えています。

今後は児島児童館と水島児童館の建て替え計画が進んでおり、これにより市内6館すべての児童館のリニューアルが完了する予定です。

3. シティロゲイニング事業——美観地区以外の魅力を、ゲーム感覚で再発見

倉敷美観地区には年間300万人が訪れますが、それ以外にも知られていない魅力ある地域がたくさんあります。

それらの魅力を再発見してもらうための事業が、令和4年度から始まった「シティロゲイニング事業」です。

「シティロゲイニング」は、参加者が制限時間内に得点の異なるチェックポイントを市街地で巡り、合計得点を競うイベントです。地域の文化財や観光施設、飲食店などがチェックポイントとして設定され、専用のGPSアプリを使って巡ります。

各チェックポイントでは歴史・文化・観光に関するクイズが出題され、ゲーム感覚で地域の知識を深めることができ、競技中には食事や買い物も可能なルールになっています。種目は競技志向の高い「アスリートコース」と、観光やグルメを楽しみたい方向けの「エンジョイコース」の2種類があります。

毎年異なる地域で開催されており、これまで水島・玉島・児島・真備で開催され、今年は茶屋町・藤戸地区での開催が予定されています。

子どもから60~70代まで年齢制限なく幅広い世代が参加します。

昨年度はアスリートコース・エンジョイコース合わせて122チーム、合計331名(大人277人、高校生以下54人)が参加しました。

参加者の内訳は、開催地を除く倉敷市民が46%、岡山県内が22%、県外からが21%で、神奈川県や福岡県からの参加者もおられました。

参加後のアンケートでは90%を超える方が「地域の魅力を感じた」「再び訪れたい」と回答しており、周辺店舗からも「人が訪れるきっかけとなり売上が増加した」という声が寄せられています。

事業の運営は専門のイベント会社に委託されており、エントリー費用やホームページ開設費、参加記念品まで含めた委託費として、寄附金が年間数百万円規模で活用されています。美観地区以外の地域に観光客を呼び込み、地域の魅力の再発見や経済効果につながる取り組みであると考えております。

倉敷市の地域づくりを支える、ふるさと納税の力

倉敷市では、全国でも稀有な3つの日本遺産ストーリーを生かした魅力発信から、個人の寄附がきっかけで始まった児童館の取り組み、美観地区以外の魅力を再発見するシティロゲイニングまで、このまちならではの取組が今日も続けられています。こうした取組を力強く支えているのが、ふるさと納税の寄附金です。

返礼品をお楽しみいただいたそのあとに、ぜひ一度、倉敷市の風景を現地で感じてみてください。あなたの寄附がどのようにまちの暮らしや文化に生かされているのか。

その答えを、きっと目で見て、心で感じていただけるはずです。

返礼品の紹介

1.桃

倉敷市は高梁川の豊かな水と瀬戸内の温暖な気候に恵まれ、桃とぶどうの産地として知られています。

倉敷の桃の特徴である上品な白さは、まだ青く小さい実のうちに一つ一つ手作業で袋をかけていく「袋かけ栽培」によって生まれます。太陽を直接浴びないことで赤く色づかず、透き通るように白く上品な桃へと育つのです。代表品種の清水白桃をはじめ、6月下旬から8月下旬にかけてリレー形式で出荷されます。

2.ぶどう

ぶどうでは、全国生産量の9割以上を岡山県が占めるマスカット・オブ・アレキサンドリアが代表品種です。優美な香りとコクのある甘みを持ち、その品格から「果実の女王」と称されています。あえて種を残した栽培により、ぶどう本来の風味と香りを存分に楽しめます。

 3.ジーンズ(児島地区)

倉敷市南部の児島地区は、国産ジーンズ発祥の地として知られています。江戸時代の干拓によって生まれた塩分を含む土地で綿やイグサの栽培が始まり、繊維産業が発展。1960年代に国内で初めての本格的なジーンズ製造がこの地でスタートしました。

現在は素材から仕上げ加工まで高い技術を誇る「ジーンズの聖地」として国内外から注目を集めています。児島地区の「ジーンズストリート」にはジーンズショップが連なり、児島産のさまざまなデニム商品がふるさと納税の返礼品としても用意されています。


自治体情報

岡山県南部に位置する倉敷市は、人口約47万人を抱える、海・川・里山と歴史・産業が共存するまちです。

瀬戸内海に面した児島や玉島地区では穏やかな海と島々の景色を楽しめ、道路・鉄道併用橋として世界最長を誇る瀬戸大橋が架かるまちとしても知られています。

白壁の街並みが美しい倉敷美観地区は年間300万人が訪れる県内屈指の観光地で、米・綿・藍の集散地として栄えた水運の歴史を今に伝えています。倉敷市は「一輪の綿花から始まる倉敷物語」「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~」「『桃太郎伝説』の生まれたまち おかやま」という3つの日本遺産ストーリーの認定を受けており、これほど多くのストーリーを持つ自治体は全国でも稀有です。

ものづくりの面でも存在感を発揮しており、令和5年の製造品出荷額は約5.8兆円で全国トップクラスを誇ります。国産ジーンズ発祥の地である児島地区をはじめ、繊維・化学・造船・鉄鋼など多様な産業が地域経済を支えています。

農業では桃やマスカット・オブ・アレキサンドリアなどの果物が、漁業では瀬戸内の恵みを生かしたタコやタイ、イカナゴなどが特産品として知られています。

子育て支援にも力を入れ、出生率は全国平均を大きく上回る水準を維持しています。

歴史とものづくり、自然と子育て環境が調和する倉敷市は、これからも次の世代へその豊かさをつないでいくまちです。

倉敷市のふるさと納税

岡山県倉敷市の基礎情報や返礼品をまとめてご覧いただくことができます。

寄付上限額シミュレーター

シミュレーターで寄付上限額をチェックしましょう。
ふるさと納税はじめるバイブルでは働き方に応じたシミュレーターを用意しています。

同じカテゴリの記事

特集

タグ一覧

  1. ふるさと納税はじめるバイブル
  2. 特集
  3. 寄付金の使いみち
  4. 400年前、海だった場所が「ジーンズ発祥の地」になった理由——岡山県倉敷市の歴史

閉じる

公式Twitter 返礼品おためしキャンペーン