新型コロナウイルス感染拡大を受けて小中学校では休校が続き、給食向けの野菜や牛乳などを生産する農家や事業者は売り上げが低迷し、大きな打撃を受けました。このまま消費の減少が続くと、行き場を失った材料や農作物は廃棄するしか道はありません。そうした中、岐阜県関市の関牛乳株式会社は、”ふるさと納税”でピンチをチャンスに変えました。
ふるさと納税で食ロスの削減に貢献
新型コロナウイルス感染拡大を受けて小中学校では休校が続き、給食向けの野菜や牛乳などを生産する農家や事業者は売り上げが低迷し、大きな打撃を受けました。このまま消費の減少が続くと、行き場を失った材料や農作物は廃棄するしか道はありません。そうした中、岐阜県関市の関牛乳株式会社は、”ふるさと納税”でピンチをチャンスに変えました。
給食には欠かせない牛乳。生乳の生産量は6月頃がピークで、その後は夏の暑さによるストレスで生産量が減少していきます。乳牛は乳を絞らなければ乳房炎を患う可能性もあり、消費にかかわらず、生乳は毎日生産され続けます。
牛1頭からは、毎日30リットルの牛乳がとれます。学校給食の牛乳パックに換算すると約150本分。突然給食がなくなり行き場を失った牛乳は、出荷ができず、破棄することになるのです。そこで関牛乳株式会社は”ふるさと納税”の制度を利用し、行き場を失った牛乳を寄附のお礼となる返礼品に登録したことで、本来廃棄されるべき牛乳が廃棄されることなく消費者の手に行き届くようになりました。
この取り組みは多くの方に共感いただき、ふるさと納税寄附を集めることができたことで、会社の売り上げも確保することができました。学校給食だけに留まらず、全国の多くの方に牛乳を届けるきっかけを”ふるさと納税”で作ることができ、まさにピンチをチャンスに変えた取り組みとなりました。
自治体情報
岐阜県関市は日本一の刃物のまちとして知られており、市の面積の80%を森林が占め、市域に清らかな水流が巡る自然豊かな土地です。およそ700年続く刀鍛冶の技術は、現在は刃物づくりに受け継がれ、包丁、ナイフ、ハサミ、ツメキリなどの刃物製品出荷額全国1位を誇ります。また、世界三大刃物産地に数えられており、「MADE IN SEKI」は世界に認められているブランドです。