伝えたいのは完成までの物語

投稿日：2021年1月9日

ふるさと納税の寄附とそれに対する返礼品の発送は、単に商品の買い手と売り手という関係だけではない。地域を応援して寄附する人がいるからこそ成り立つ制度である。ふるさとの納税をきっかけに、繋がる人の輪を広げ、持続可能な地域づくりを目指した。

モノではなくコト

ふるさと納税に参加する事業者を開拓する中で、事業者の多くはホームページやSNSのアカウント、自社通販の手段などを持っておらず、商品のＰＲや販路拡大に悩んでいることに気付いた。それはふるさと納税でも同じことが言え、鴨川市には「長狭米」や「房州ひじき」のようなブランド食材を始め、多くの魅力的な返礼品がある中、ふるさと納税ポータルサイトに商品の情報を羅列するだけでは、30万点以上ある返礼品の中に埋もれてしまう。
そこでふるさと納税ならではのＰＲとして、モノとしての魅力を発信するだけでなく、事業者や返礼品が作られる工程などを掘り下げて紹介することで、鴨川市という地域とそこに関わるヒトを身近に感じてもらおうと考えた。

身近に感じて欲しい

お米の返礼品の場合、新米の予約と並行しながら、返礼品の紹介ページの中で田植えから稲刈りまでの様子の報告を行った。完成した品だけでなく、そこに至るまでの過程を伝えたかった。
春には旬の食材としてひじきを取り上げ、ひじき狩りや加工現場を取材して、その様子を動画にまとめた。新物ひじきの出荷時期に合わせてＰＲを行うことで、返礼品をより身近に感じて欲しかった。
完成品だけではなく生育や加工の工程を知ってもらうことで、寄附者の皆さんには返礼品が届く前と届いた後に感動を届けることができ、返礼品そのものだけでなく、鴨川市に関心を持ってもらえたのではないかと感じた。

ふるさと納税により広がった輪

過疎や高齢化、それに伴う後継者問題など地域として様々な課題を抱えている中で、ふるさと納税はその解決の一助となる。地域が盛り上がれば、帰郷したり、家業を継ごうと思う人が出てくるかもしれない。鴨川市には、ふるさと納税に参加した事業者の中に移住者がいる。「鴨川市のために仕事が出来ることが嬉しい」、そんな話が市職員との間で交わされた。今後、ふるさと納税で鴨川市の魅力を知って、移住したいという人が出てくることを期待したい。

担当者から一言！鴨川市ふるさと納税

ふるさと納税は寄附金を集めることやその寄附金をどの様に使うかということも重要ですが、それ以上に重要なことは制度を通じて地域がどう変わっていけるか、それをどう維持していけるか、という部分だと思います。
ふるさと納税の寄附とそれに対する返礼品の発送は、単に商品の買い手と売り手という関係だけではありません。地域を応援して寄附してくださる方が多くいらっしゃるからこそ、今後も、より鴨川市という地域の魅力を伝えられるような情報発信を行っていこうと考えています。
鴨川市も過疎や高齢化、それに伴う後継者問題など地域として様々な課題を抱えている中で、ふるさと納税はその解決の一助になると思っています。ふるさと納税により広がった輪が新しいヒトやコトの受け皿となり、その新しいヒト・コトがまた輪を広げてくれる。そうして永く地域を持続してさせていくことがふるさと納税としてあるべき姿であり、継続して取り組んでいくことだと考えています。